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「で、君は一体何を見てるのさ。ねぇ、あの子君のことなんて全然見てないよ。」巨大な水槽の中…
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仕事でパソコンを使うということもあって、インターネットに転がる文章はわりと読んでいる方だ…
「東京」という言葉が一体何を指すのか未だに良く判っていない。土地の名前にしては使われ方が…
お気楽気まぐれロックンロール。この度、あてくし銀座愁流は私財を投げ売ってnoteプレミアっ…
ーーお好みでどうぞ 一見優しく見えるこの言葉も相手任せという性質上を持つ以上、乱暴…
夏祭りの社 橙色の提灯の明かりはボンヤリと屋台の並ぶ道を照らしている。ふと見るとゆったりと人の流れていく中にポッカリと浮かんだ狐の面があった。隣には少し神経質そうな後ろ姿をした男が、立ち止まる素振りなく歩いている。男の後ろをちょっと離れて付いて行く南天柄の白い浴衣。こちらを見る狐の面はその女の後ろ手にひょいと乗っているのだった。 女は突然、男の浴衣の袖を引っ張ると屋台の前で足を止めた。すこし気難しそうな大正眼鏡を掛けた男の横顔が見える。どうやら林檎飴をねだりたいらし