激しい生理痛は子宮内膜症が原因?!
子宮内膜症は、診断されていない方もいるため、その数は正確には不明ですが、約6~10%の月経のある女性にあると考えられています。
その第一の特徴は、月経前後の痛み。
痛みは年々増すようになり、痛みの箇所は子宮だけでなく、卵巣や直腸近くなど多岐にわたることもあります。
月経の出血量が多くなることもあるため、貧血を併発し、月経中だけでなく、常に体調がすぐれないという方も多いです。
子宮内膜はエストロゲンによって増殖し、黄体ホルモンが妊娠に備え内膜を整え、その後、両者のホルモンが減少することにより、内膜が剥がれ落ちると月経が起こります。
子宮内膜症の原因は、いまだに不明ですが、考えられる要因として、子宮内膜組織の一部が経血とともに排泄されず逆流するため、子宮広間膜、卵巣、腹膜、直腸付近のダグラス窩で増殖することにより起こると考えられています。
レアなケースでは、肺にも起こり、生理に伴い咳や胸の痛み、息苦しさなどの症状がおこります。
子宮内膜が子宮筋層内で増殖すると子宮腺筋症、卵巣内で増殖するとチョコレート膿疱となり、チョコレート嚢胞は卵胞の発育や排卵に影響を及ぼすため、妊娠しにくくなる可能性もあります。
痛みについては、鎮痛薬を利用している方も多いと思いますが、病院での治療となるとホルモン製剤で偽閉経にさせたり、妊娠に似た状態にすることで月経からくる苦痛をやわらげます。
状況によっては、手術という選択肢もあります。
症状の緩和のための家庭でのケアとして、
●温める
●油っこいもの、砂糖をとりすぎないバランスの良い食事に気を付ける
●軽い運動をする
などがありますが、運動は良くなる人と、変化を感じないかもしくは悪化する人がいるようなので、運動を定期的にしてて痛みが悪化するようだったら、運動量を軽減してみたり、運動の内容を変えてみて様子をみてみましょう。
中医学では生理痛の痛み方によって体質を見極めますが、子宮内膜症のような激しい痛みの場合、滞りが原因であることが多いです。
しかしながら、滞りがおこる原因は様々であるため、単に流れをよくするだけではなく、原因に応じた対処も必要となる場合があります。
また、出血過多による貧血があれば、様々な症状で悩まされているかもしれないため、それらの症状も考慮しながら体質を見極めます。
子宮内膜症は不妊症の要因としても懸念されますので、子宝をご希望とされる方であれば、お早めにご相談くださいね。