PGT-Aは妊娠率を上げる?!
受精卵は見た目がきれいでも、染色体に異常がある場合があります。
染色体の異常は35歳くらいから増えますが、40歳以上になるとその確率が高くなります。
染色体異常の胚を移植しても、妊娠にはならないかもしくは流産ということがあり得ます。
異常な染色体をもつ胚を調べる方法として、PGT-Aという検査方法があります。
PGT-Aは着床前胚染色体異数性検査とも言います。
胚の中にある染色体の数を調べ、正常な数と比べ過不足を確認し、妊娠率を上げる目的で検査します。
対象者は流産を繰り返す人、年齢が高い人です。
1万人を対象に行ったPGT-A特別臨床研究の結果では、染色体が正常な胚の確率は
35歳 25%
40歳 20%
45歳 10%
とのことでした。
年齢とともに正常な胚がとれにくくなり、確率が低下するのはわかるのですが、35歳ですでに正常な胚が25%というのは驚きです。
高齢出産は35歳からとも言われていますが、出産自体も経験しにくくなってしまうのがこの位の年齢からということが伺えます。
PGT-Aの検査では、体外受精を行って、胚盤胞まで成長した胚を検査します。
その際、胚の成長に影響をおよぼさない部位を採取して検査します。
この検査でデメリットがあるとすると、この検査の時の細胞採取で胚にダメージを与えてしまうことがあります。
胚盤胞が1つしかないような方の場合、このリスクを考えたら移植する方が良いのか悩むところではあると思います。
いくつかある胚盤胞から、染色体に問題がないものを選ぶことができ、移植できるというところにメリットがあります。
良質な胚盤胞は100から200個の細胞がつまっているため、細胞を採取してもその後の成長に影響はありません。
それに対して、細胞数が少なく50から100個位しかないような胚盤胞の場合、同じ数の細胞を採るとダメージが大きくなります。
胚盤胞の質と染色体の状態が両方とも良いと妊娠、出産とつながるそうです。
PGT-Aを行うことで、確実に妊娠しやすい胚を選び移植することができるため、染色体異常のある胚を知らずに移植を繰り返すよりは、妊娠率が上がると考えられています。
胚盤胞の質によってはデメリットがあるものの、反復流産や体外受精がうまくいかない方は、一度検査してみてはいかがでしょうか?