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Record.47 霊界大戦 vol.10 ●思い当たり ●周りへの攻撃 ●使い神様
●思い当たり
前世の巫女時代から同じ闘いをしていたという事が分かり、全てが出逢うべくして出逢ったのだろうと思った。
呪術者側の人が沢山死んでいるなら、恨みも沢山買っているだろう。
昔から夢で黒いスーツの半妖人間に追いかけられる夢をよく見ていたのは、呪術者達が私を探していたのかもしれない。
夢日記を見返していたら『呪詛』を感じる悪夢もいくつかあった。
夢を見た時は意味は分からず、ただ、何か抗えないような、黒い………やばそうな何か…という印象で心底嫌~~な気持ちになる。
小さい頃からの言い知れぬ不安や鬱や恐怖や気力の無さは、呪詛で攻撃を受けた時の感覚に似ている事にも気づいた。
私自身HSPやADHDの特徴に限りなく近い特性があるから、どこまで呪詛かもよくわからない。
蟲に関して、不可思議な体験がある。
闘いが始まる、8年くらい前のこと。
仕事からアパートに帰り、家のドアを開けた。
ドアを開けてすぐ暗闇の部屋の向こうで、バサバサバサバサ!と鳥の羽ばたくような音がした。
鳥?!
私は硬直して混乱した。
バサバサバサバサ
明らかに生き物がいる音。
こ、こんな音出す生き物って何?!
しばらく固まったのちに、私は勇気をだし心臓バックンバックンさせながら部屋に入り電気をつけた。
すると部屋の壁にいたのは、一瞬鳥に見間違えるほどのとんでもなくデカイ、蛾だった。
それは大きめ男性の手の平を広げたくらいの大きさ。
私は青ざめる。なんだこの生き物は!?
ここは古代のジャングルか?!
どうにかするにはデカすぎて、一瞬で絶望。
ヤバい………ピンチすぎる!!
しかし、蛾という事ですぐに閃いた。
部屋の電気を消して、ドアを開けたまま玄関だけの灯りをつけた。
すると、蛾は自ら飛んで出て行った。
バサバサ!バサバサ!
思いの外すんなり解決した。
でも謎だらけだった。ベランダの戸は締め切っていた。
なんで、どうやってこんなデカイのが入る???
玄関開けた瞬間にしか入れないとしたら、玄関開けた瞬間に私の周辺ををこんなデカイ羽ばたきが通ったら気付かない訳がない。
仕事行く前から居たとしても、気付くレベルのデカさ。
留守中の真っ暗闇の密閉部屋に居たのが不可思議でならなかった。
●周りへの攻撃
組織の幹部らしき、見たことがないお爺さんが生き霊で私を監視するようになった。
中川さんの後ろに立って私を見ている事が多かった。
私はその頃、周りに攻撃が行き始めているのに気付いて他県にいるメナコと幼なじみに今の自分の状況を説明して何かあったらすぐに連絡をくれと伝えていた。
すぐに二人から連絡があった。
メナコからは、電話がかかって来た。
『旦那が、女に取り憑かれた!……あ、でも実ちゃんに繋がった瞬間に抜けたわ………』
幼なじみからは、メールが来た。
『今日変な夢を見た。占い師の人に「これがある限り良くならない」といわれて、私の背中に「蟲」っていう字が見えた』
幼なじみには蟲の話しはしていなかったので、私はヒヤリとした汗をかいた。
私が倒れないから、私の周りにいる大事な人に確実に手を出している。
遠隔で私はヒーリングしながらパトロールするようになった。
唯一の楽しみで活力にしていたノーザンのライブに行った時にも、ノーザンを狙っている存在に気付いた。
以前に警察に連行された使い魔の女性客に憑いていた、妖怪みたいな白い女性の残像がずっと見えていた。
ノーザンにまで手を出すのか………
危機感を覚えて、私の窓口リョークさんに説明し何かあれば連絡をくれるように伝えた。
色々あるけど、ナーバスになると命とり。
私はそれでも、相変わらずなるべく明るく過ごすようにした。
ある日、中川さんの後ろにいるのが幹部の爺さんだけじゃなくなっていた。
他に3人くらいいる。
中川さんと霊視してみると、組織が引き込んだ素人の女性見習いみたいな人達に呪詛をかけさせていた。
私は店内に流れる音楽に合わせて、呪詛をかけてくる四人に向かって指揮者をしてふざけた。
『みなさ~ん、その組織はヤバいよ~抜けた方がいいよ~呪詛は自分に返ってくるからろくな事はないよ~』
満面の笑顔で話しかけていた。
『そうですよ~』とウンウン頷いていた中川さんが突如爆笑した。
『実ちゃん!向こうで「何なのこの人?!」って言われてますよ!ウケる~』
見れば、生き霊の女性の一人の顔が青ざめていた。
そして、残ったメンバーで粘って呪詛をかけて来ていたが、そのうち皆消えていった。
そして幹部爺さんだけになった。
私と中川さんは女の子達の安否を心配した。
呪詛が跳ね返っていたらダメージは大きいはずだし、今ので組織の正体に気付いたとして、彼女達は抜けれるのだろうか。
あれだけ強い呪術者達だから、殺されるかもしれない…。
そう思って、組織から抜けれない人達がいて結局泥沼にどんどんはまっていくのかもしれない。
そんな心配を二人でしながら、私達も呪詛を跳ね返すしかなかった。
●使い神様
使い魔もいれば使い神様もいた。
もちろん私もギリギリの時があった。
精気や生命力が無くなっていくのを体感した。
ある日、帰りの電車で死にかけていた。
途中で小学生くらいの姉弟が乗車して来て、弟の方が私の横に座り、お姉ちゃんは私の前に立った。
席を譲ろうとドキドキ勇気を振り搾っていたら(←人見知り)、あっという間に弟が眠り私の肩に頭を乗せてきた。
ヤバい……動けない。
人見知りは、さらに緊張で固まる。
お姉ちゃんは他人の肩で寝出した弟に焦り、離れたとこに座っていた両親に合図を送るも両親は気付かない。
今私が弟を見たり、お姉ちゃんを見たりしたら、お姉ちゃんはもっと焦るかもしれない………。
緊張しすぎた私は、おもむろに本を取り出し、私は君たちが見えていませんよ?みたいな集中力を装い本を読み出した。
私なりの、『肩で寝てくれたまえ』アピール。
弟はぐっすり寝ていた。お姉ちゃんは見守るスタンス。
少しして、私は気付き始めた。
私のオーラにまとわりついていた黒く澱んだ呪詛のエネルギーを、男の子の太陽の匂いがする無邪気な光のエネルギーが、どんどん押し退けてくれているのを…………。
す、すげ~~~~~!!!
私はみるみる精気を取り戻していた。
うわああああ、ありがとうありがとうありがとうありがとう!!!
一頁もめくっていなかった本を眺めながら心の中で叫んだ。
そして、私のオーラが完全復活した頃に私の最寄り駅につき、初めてお姉ちゃんの顔を見上げた。
『ごめんね、降りるね』
と言って、男の子の頭をそっと動かした。
お姉ちゃんは、すまなそうに苦笑いしていた。
私は男の子に感謝しまくった。
2度と会えない、使い神様。
その後も、私はある人に命を救われる事になる。