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詩)オーバーラン

短い助走
スタート位置に立つ
軽くスターターを踏む
右と左を見る
上腕の筋肉が見える

走るとは
なんだろう
顔をあげる
一直線に見えるライン
第一歩の波動

進む 進む 進む
風 風 風
横に並ぶ
脚の筋肉がプルプルと震え
切れる寸前の収縮

止まることはもう出来ない
加速した腕は
別の生き物のように
前にすすむ
バランスを失った時

あゝ 目の前にゴールがあっても
バラバラの脚と手が
思いっきり突き進み
見えない壁を突き破り
もう向こうは
海だ!

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高細玄一(げん)
2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します