和泉式部は、 好きな歌人のひとり。 このひとがつぶやく言葉は そのまま歌になっているような、と 紫式部がほめてたりする。 表題の和歌は、 検索すると現代語訳がけっこう出てくる。 いわゆる 「後朝の別れ(きぬぎぬのわかれ)」で、 一晩ともに過ごした男の元へ、 式部が贈った歌。 【現代語訳】枕ですら知らないのだから、誰にも話したりしないでしょう。だから貴方も、私とのことを見たままに誰かに語らないでください。春の夜の、夢のような出来事を。 「枕さへ知らねば言はじ」について
私には、 忘れられない一冊があります。 それは『歎異抄』。 一般的な知識として 『歎異抄』の解説をしておくと、 浄土真宗の開祖、親鸞という坊さんがいて、 その弟子が親鸞に 教えについてインタビューしてまとめたもの、 くらいに思っておいてください。 浄土真宗の奥義みたいな本ですが、 角川ソフィア文庫から出ていたものを、 読むともなく「積ん読」しておいたのです。 ところが2011年3月11日(金)、 東日本大震災の日、 めちゃめちゃになった私の部屋にたどりついた時、 この