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信頼できる人たちのそばで・・・

カメラを向けると、照れ隠しなのか茶目っ気ある表情で返してくれた繁八さん・・・。

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そんな繁八さんが亡くなる6日前、かすれた細い声で訪問医に告げた言葉。 

「病院ではなく、ここで…。わかっているヘルパーさんたちがいるから…。」  

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大動脈弁狭窄症の急激な悪化により、呼吸苦と胸の痛みを訴えられた日。

訪問医からは今後の予後も含め、2つの選択肢が繁八さんに提示されました。

入院治療を受けるか、もしくは、住み慣れた銀木犀の居室で出来得る限りの訪問医療を受けるか。どちらを選ぶかによってのメリットとデメリットも添えて。

そして訪問医は「どちらを選択するかは、ご家族で話合いを持ち、今日の夜、その回答を聞かせてほしい」と。

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その日の夜。

ご家族が参集され、ご本人の居室で静かな話合いが行われました。

訪問医が到着し、話合いの結果が繁八さんの口から語られます。


「病院ではなく、ここで…。わかっているヘルパーさんたちがいるから…。」


ご家族もご本人のその選択に納得と同意の旨の回答。

その選択に共感し、すぐに在宅酸素導入の手はずを整える訪問医。

はじめから答えはわかっていた私たち。

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繁八さんは、3年半のご入居生活で普段から他愛もない会話のなかでも「最期の時は銀木犀で看取ってほしい」という明確な意思を私たちに告げてくれていました。

もちろん、私たちもその意思を受け、ご本人の望む尊厳死を請け負う覚悟がしっかりとできていました。

そこには意思と覚悟を共有し合ったお互いの信頼がありました。


繁八さんはご自身の死期をしっかりと見据えておられたのだと思います。
今、入院を選べば、自分のリビングウィルが叶えられないことを。

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あの日の夜から6日後の深夜。

繁八さんは静かに旅立たれました。

住み慣れた銀木犀の居室で、そして信頼できるヘルパーのそばで。

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繁八さん、約束どおり見届けましたよ。

そして、私たちに託してくれて、信頼してくれて、ありがとうございました。


銀木犀<柏>スタッフ一同

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