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現場行職員をサポートする支店ウェルビーイング経営
新年度による、組織改編等環境の変化に悩むのは若手・新人だけでは
なく、現場にとって離職による人員減はなんとしても避けたい。本企画
では、金融機関の支店程度の組織を念頭に、支店長やマネージャー層に
求められるウェルビーイング経営の考え方について、実践例を踏まえ解
説した。
1 現場行職員がマネジメント上で抱える悩み、課題
今年も新入行職員が入行庫する季節になった。新人の早期退職が広く問題となっているため、うちは大丈夫かと気を揉んでいる支店長やマネージャーも少なくないであろう。支店を経営する立場からすると、新人だけに限らず、行職員に対して次のような願いを抱いていることだろう。
・指示待ちではなく自律的に仕事に取り組んでほしい
・新しいことに挑戦し、成長してほしい
・行職員どうしが協力し合って、一体感を高めてほしい
そして、
・当行庫で、ずっと働き続けてほしい
・高いパフォーマンスを発揮して、業績貢献してほしい
当然ながら、黙っていてもそうなるわけではなく、行職員の行動のあり方はマネジメントの良否にかかっている。
しかし、時代の変化は大きく、昔ながらのマネジメントの手法は通用しない。何を指針として行職員をマネジメントすればよいのか、多くの支店長やマネージャーは手がかりを求めているのではないか。
2 ウェルビーイング経営とは
そこで、役に立つ視点が、「ウェルビーイング経営」だ。
ウェルビーイングとは、世界保健機関(WHO)によって定義された概念で、「肉体的にも、精神的にも、社会的にもすべてが満たされた状態」を指す。
2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs )」にも含まれていることから、「ウェルビーイング」という言葉が注目されるようになった。
ウェルビーイング経営というと、人権の尊重やメンタルヘルスの予防などがイメージされるかも知れないが、そのようなベーシックな目的だけに留まらない。「社会的に満たされた状態」とは、上司・部下・同僚などの人間関係の質の良好さを指す。先に掲げた行職員に望まれる行動は、すべてウェルビーイング経営の結果として期待されるものである。
では、どうすれば行職員のウェルビーイングを高められるのか。それを説明するのが、「仕事の要求度—資源モデル」だ(図表1参照)。
このモデルは、上段の「健康障害プロセス」と下段の「動機付けプロセス」の2つのプロセスによって構成されている。健康障害プロセスはウェルビーイングを抑制してしまうプロセスであり、動機付けプロセスはウェルビーイングを促進するプロセスである。ウェルビーイング経営では、これら2つのプロセスへの対応が求められる。
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