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『アイアムアヒーロー』:日常が崩壊した時、平凡な男が見せる“英雄”の姿

映画『アイアムアヒーロー』は、鈴木英雄という冴えない漫画家アシスタントが、突如として訪れた非日常の世界で、生き残るために奮闘する姿を描いたサバイバル・ホラーです。パンデミックというリアルな恐怖と極限状況における人間の本質を浮き彫りにした本作は、息もつかせぬ展開と感情の揺さぶりを与えてくれます。


ストーリー概要

鈴木英雄(大泉洋)は、売れない漫画家アシスタントとして冴えない日々を送る平凡な男。彼女とも関係が冷え切り、夢も希望も見出せない中、謎の感染症により日常が一変します。感染者は異形の姿「ZQN(ゾキュン)」となり、凶暴な本能に支配されて街を破壊。混乱の中、英雄は生き残りを目指して逃げる最中、女子高生の比呂美(有村架純)や元看護師の藪(長澤まさみ)と出会い、共にサバイバルを繰り広げます。


見どころ

  1. 緊迫感あふれるZQNの描写
    ZQNはただのゾンビではなく、人間だった頃の執着や行動を残している点がユニーク。そのリアルで不気味な描写が、観る者に恐怖を植え付けます。特に群衆で迫り来るシーンは圧巻で、緊張感が途切れることがありません。

  2. 平凡な主人公の“英雄”への成長
    鈴木英雄は当初、弱くて頼りない人物として描かれますが、危機的状況の中で徐々に成長し、勇気と決断力を見せ始めます。彼がどのように“ヒーロー”としての自覚を持つようになるのかが物語の核心です。

  3. 有村架純と長澤まさみの存在感
    比呂美役の有村架純は、感染症の進行が緩やかな特殊な状態で登場し、物語に緊張感と謎を与えます。一方、藪役の長澤まさみは冷静で頼れるキャラクターとして、英雄を支えつつ観客にも安心感を与えます。この対照的な二人が物語に深みを加えています。

  4. ダイナミックなアクションと映像美
    パニック状態の街や閉鎖空間での戦闘シーンは、迫力満点の映像で描かれ、視覚的にも楽しめます。特に、クライマックスでの英雄の活躍は観客の胸を熱くさせる名シーンです。


感想と考察

『アイアムアヒーロー』は、単なるゾンビ映画にとどまらず、極限状態での人間の本質や葛藤を深く描いた作品です。主人公の成長物語としても見応えがあり、「普通の人間がヒーローになる」というテーマが心に響きます。

感染パニックという設定は、現代社会の不安や恐怖ともリンクし、リアリティを感じさせます。また、ZQNの設定が単なる“敵”を超えた存在感を持ち、物語に緊張感を与え続けます。


まとめ

『アイアムアヒーロー』は、サバイバル・ホラーとしてのスリルとアクション、人間ドラマとしての深みを兼ね備えた傑作です。非日常の中で成長する主人公と、それを取り巻く登場人物たちの関係性が、観る者に強い印象を残します。ホラー好きはもちろん、人間ドラマやアクションが好きな方にもおすすめです。

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