パリの駅弁
YouTubeで見つけたパリの駅弁の話、秋田の花善がパリ、リヨン駅に開いた駅弁のスタンド。EKIBEN。
秋田からパリに輸入された秋田こまちとフランス産のチキンで作った鶏めし弁当、美味しくないわけない!
私の知っている限りでは10数年前からパリで、BENTOなる物を見かけるよになりました。大体は四角い入れ物に炊いたご飯に肉や魚のメインがあり、完全な日本弁当と言うよりご飯+おかずが仕切られた箱の中に収まっている、という印象でした。
しかし今回のは完全に日本スタイル、それも駅で売る駅弁です。
調べてみたら秋田の名店、花善は2019年に路面店をパリの9区にオープンさせていました。多くの乗客数を誇るパリ北駅から歩いてすぐのところです。
ご飯にメインおかず、副菜にまでこだわる日本スタイルのお弁当。ここまででも十分な快進撃でしたが、さらに
時間が経っても美味しい
持ち運びが簡単
いろんな種類が楽しめる
開けた時の見た目の美しさ
この日本BENTOの特性を最大に生かせる、旅に持っていってもらおうと駅売りを望んだんですね。仏国鉄へアプローチ、の2回目の応募で実現することができたのです。
ヨーロッパは陸続きで国を跨いでの旅ができます。
私も何度かパリからいろんな国へ行ったことがあります。でも考えてみたら食事は事前に買っておいたサンドイッチ(駅構内にパン屋はあるのでバゲットサンドなどは買える)ぐらいしか思いつきません。
たまに長距離列車に乗ると食堂車が付いていたりしていますが、値段表見て諦めることばかり(笑)。
今まで駅弁の発想はありませんでした。
このリヨン駅のスタンドは22年4月までの期間限定だということです。
さらに私は考えます。ミシュランガイドってありますよね。
フランスのタイヤメーカーミシュラン社が、ドライブを快適にするために 行く先々のホテルやレストランを紹介することから始まったガイド本。ある時期からはレストランにフォーカスした作りとなりました。三つの星で表す基準は
一つ星★:そのカテゴリーで特においしい料理
二つ星★★:遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理
三つ星★★★:そのために旅行する価値のある卓越した料理
これですよ、これ。これをまんま駅弁に当て嵌めたらどうでしょう。フランス国内だけでも各地に名物はたくさんあります。
アルザス弁当
キッシュロレーヌにパテやハムのシャルキュトリー、シュークルートが入って、パンデビス(スパイスを効かせた焼き菓子)が添えられている。
ブルターニュ弁当
そば粉のガレット、ムール貝の白ワイン蒸し、海藻で蒸したソーセージにクイニーアマンが添えられてる。
ブルゴーニュ弁当
エスカルゴ、グジェール(小型のチーズ風味のシュー生地)、コック オーヴァンやブッフ ブルギニョン(鶏肉や牛肉の赤ワイン煮込
み)ディジョンのマスタードが添えられている!
プロヴァンス弁当
肉のパイ包み焼き、ニース風サラダ、ラタトゥイユ、エスカベッシュ(マリネした魚を揚げて甘酸っぱいソースがかかったもの)、フーガス(葉形で平べったいパン)にアイオリソース
ああ、考えただけでもよだれが出そう。
日程の都合があって宿泊はできないけど、通過する駅で売り出したらヒットしそうです。
もちろんそれに合わせたワインも売ります。チーズも年々売り上げが落ちてると、フランスのニュースで見たので、それも抱き合わせで売りましょう。
列車の旅は本を読むか携帯見るか(車窓を楽しむ方は除く)が長い時間続けることになります。こんな時に地方ごとの駅弁があったら、一気にテンション上がるんじゃないかな。
お弁当は少しずつ種類を詰めることにより、試してもらう要素もあります。それが美味しかったら、次は通過だけではなく、宿泊してみようになって街のアピールにも一役買えそうです。
そのうち駅弁が有名になって、プランタンやギャラリーラファイエットで駅弁祭りが開催されたりして。
夢は膨らみます。
各地の名物をアピールし旅に花を添える駅弁。これは蓋を開けたときの笑顔を想像して、お母さんやプロの方が工夫して作ってきた日本のお弁当文化からのもの。
いやあ、すごいなあ花善の方。BENTO屋をオープンするだけでもすごいのに、
駅弁という日本の文化までを持っていったとは。
花善が開いたこの道をどうかチャンスと思って日本の偉い方々、ノウハウを伝授してヨーロッパに駅弁文化を根付かせてくれないかなあ。
タイトルのお弁当は、私が作るなら、のパリの駅弁です。パリのメトロ、トロカデロ駅で売りたいですね!
おまけ。
実際にパリ、リヨン駅の花善さんに行ってきました。
私の記事を見せて、実際の画像の使用許可をいただきました。
パリに行くことがあったら、花善さんのお弁当をぜひ!