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センスの良い人
ファッション好きが必ず引っかかる センスが良い問題。それを検索ワードにして洋服でも買おうかな?と思いサイトを開くと、芸能人やモデルのかっこいい画像がすぐ出てきます。
ただあまりにルックス自体が良すぎると、果たしてこれはセンスの問題なのか?自分がこのまま真似したらどうなるのか?を想像して、うーん、と唸ってしまいます。ですが、スーパーモデルみたいでなくても、センスの良い人確かにいるんです。
センスが良いってなんだろう?
サンフランシスコに来るまで、私は東京で飲食店を営んでいました。モロッコ料理ということで、誰もに興味を持ってもらえるわけではなかったですが、フランスが好きな方(モロッコは1950年代までフランス領だったのでフランスに住んでる方はモロッコ料理を日常的に食べる)や、海外に暮らした事がある方、またファッションが好きな方が多くいらっしゃっていました。
その中でも私が来店してくれるのを特に楽しみにしてる方がいました。
仮にAさんとします。
Aさんは小柄で私より10歳位年上の方、いつもハイブランドを中心にカッコいいファッションで来てくれました。店をやってる側からしたら、そういうお客様に選ばれているというのは光栄な事です。普段着ではない格好で来ていただけるというのは、わざわざ行く店だと認識されている証拠だからです。
ある日のAさんコーディネート↓
一方その頃、私はセンスいいなあと思って買った一足の靴を持て余していました。
それはパリで買った Diorの9センチヒール。Diorのマダムが言った『いいんじゃない?』の一言に浮かれて、買ってしまったかなり細いヒール、9センチ!。
試着した時はパリの魔法にかかっていて、いける!と思いましたが、東京の現実では 履いたら痛くて駅まで辿り着けなかったのです。
今までこんな高いヒール靴を持ってなかったということは、合わせる洋服も持っていなかったってこと(ばか!)、また、私は主人より1センチ身長が高く、9センチのヒールを履いてしまうと、バランスが非常に悪くなってしまう(迂闊!)ああ、どうする!こんな難しい靴!私には履きこなせない!じゃ誰が履けるの?。
そうだ、もらっていただこう、Aさんに。
彼女なら、この靴に合う洋服も持っていると思われる!←図々しい発想。
Aさんが次に来店した時に、直接、靴を見せて『私には履きこなせない靴があります、もしよかったら、差し上げたいのですが』と申し出ました。
唐突な申し出に、Aさんは少し驚いていましたが『まずは履いてみますね』と快く試してくれました。
と、立ち上がり、靴を履くと同時にスカートの丈を少し下にずらしたのです。
つまり彼女は一瞬のうちに、履いていたヒールの低い靴から高いものにチェンジすると、全体のバランスが変わると言うことを察知して、スカートの丈を少し長くすることにより、見える脚の部分を調節したのだと思います。
“着こなす“と言うことはこう言うことなんだ!
センスが良いと言う人の理由を目の当たりにしました。
こう考えつくと、今までの彼女の着こなしにはセンスよく見える工夫があったことに気づきました。
小柄な方だから、トレンチなどは袖を捲っていたり、上半身のジャケットは前を閉めて細く見えるようにコーディネートしていたり。常に新しいシーズンの洋服を取り入れられていたことから、ずっとファッションの流れを意識して、その時々のベストバランスをアップデートされていたんだと思います。
Aさんはそのままヒールを履いて帰られました。
その日の彼女の洋服はヒールにぴったりマッチという訳ではなかったですが、彼女のキャラクターを介して、すっかり自分のものにされていました。
まとめ。
センスが良い人は、体型の良し悪しでもなく、年齢関係なく、アレンジする力があり(日々の積み重ねとファッションへの関心がものを言う)
自分のスタイルに洋服を引き寄せることができます。
世界的におしゃれ番長として知られるジェーン・バーキン。ルックスも素晴らしいですが、エルメスのバッグにシールをベタベタと貼ることをした人。その瞬間にあのバッグを完全に自分のものにできたんだと思います。さすがです。