ピニャータの楽しみ方
サンフランシスコのメキシコ雑貨屋の天井で売られているピニャータ、カラフルな紙（段ボール）で作られていて、中が空洞のくす玉人形です。その中にチョコレートやキャンディをあらかじめ入れておいて吊るし、目隠しをした人が代わりばんこに棒で叩いて、ピニャータを壊し、中のものをゲットできるというゲームです。
南米の子供たちの誕生日会には欠かせないもので、デザインもユニコーンや妖精などの定番物から、著作権を持ってる所から怒られそうな 嘘ミッキー、ポケモンなどバラエティ豊かな品揃え。
また、日本の羽子板のように世相を表したピニャータも出回ると聞きました（ミニオンとかバッドマンとか）。面白いなーと思いつつ、日本人に作らせたら、もっときちんと作れるんじゃないの？っていうちょい雑な印象ではあります。
興味を持った私は本場の状況を聞こうと、英語学校のクラスメイト（ラティーノ）達に尋ねました。
まず一人目はコロンビアの男子生徒、アレックス。小さい頃、家がリッチだったので誕生日会は毎年豪華そのもの。10歳の誕生日には、使用人がオリジナルのピニャータを手作り、中になんと米ドルを仕込んだとか。
これには子供よりもその親が夢中になり、争奪戦が繰り広げられ、上座に座ったアレックスはそれを横目でニヤリ。あの時が人生の頂点だったと遠い目で語ってくれました。あはは。
反対にメキシコ出身のフロリータの思い出は少し苦いです。
彼女の16歳の誕生日をボーイフレンドが浜辺で企画しました。招待した友人たちと盛り上がろうと、彼はながーい釣竿にピニャータを吊るし、目隠しされたフロリータに波打ち際でピニャータを打ってもらうと言うことに。
周りの応援もあり、見事
ストライク！
キラキラとピニャータから溢れるキャンディ、盛り上がる仲間達。
その時大きな波が打ち寄せ、お菓子をみんな海に攫っていきました。あははと笑う中に一人 青くなるボーイフレンド。
彼はフロリータに贈る指輪をピニャータの中に入れておいたのでした。
ああ無念。
このように、子供のお祝いに使われる事が多いピニャータですが、去年までは、完全に大人向けだろ、っていうトランプのピニャータもよく見かけました。
トランプが敗北するだろうと言われていた選挙前に買ってる人を私は実際に目撃。
バイデンが大統領になった夜、どこかのバーでトランプのピニャータは叩き壊されたに違いありません。
大人も大好きピニャータ。
私はこれをパーティのゲームにおすすめします！
形状はくす玉と同じなので、誕生日や結婚式の余興にはもちろん、持ち運びも簡単なので、キャンプやバーベキューの盛り上がりにも一役買いそうです。
でも、日本では簡単に手に入らないですよね、なのでお母さんはピニャータ作りの名人という、クラスメイトのフェルナンド（メキシコ出身）に聞いてみました。
フェルナンドが教えてくれた一番簡単なピニャータの作り方です。
作り方
①小麦粉の糊をを作る。200gの小麦粉を750ccの水で溶き、火にかけて冷まして糊を作ります（子供にも安心の材料だって！）
②風船を膨らまして口を縛る。
③あらかじめ5センチ角くらいに切っておいた新聞紙やコピー用紙を結び目から7センチ離して、風船に糊を使い貼り付けていく。これを４回重ねていきます。くす玉の周りの部分を作っていくわけです。
⑤乾いたら、中の風船を切って取り出します。
⑥色をつけたり、飾りをつけたらベースは上がり。
⑤上部に 吊るす紐を通す穴を二箇所開けて、完成です。
初めて作りましたが、なかなか上手くできました。私はレースと紙製の花でデコレート、なんでもきちんと仕上げる日本人の意地を見せました。
作ったら、、、愛着が湧き、叩いて壊すのがもったいなくなり、自分で被ってみたり、犬に被せてみたり。
さらに調子に乗って風船の形を生かして苺のピニャータも。種の部分まで計算しました。
綺麗に作れたので嬉しくて、作った画像をフェルナンドに送ったら、彼からすぐ返信が。
mami, ピニャータ 気に入ってるみたいだけど、一つアドバイスを言うよ。ピニャータは”叩いて壊す”を前提だから、ラフで良いんだ、君は前に言ったよね？日本人に作らすと、もっと上手に作るって。違うんだ。凝りすぎて割るのが勿体無くなったら意味がない。うちの実家には母親が作ったフリーダ・カーロのピニャータが完璧すぎて、誰も使えないんだよ。
マリアさまと一緒にピニャータを飾っているんだ。
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あわわわわ、日本人の意地を見せてる場合じゃなかった。本来のピニャータの精神に反してた。そうだ、ピニャータは
叩いて壊す、だ。
日常ではやらない行為、それをやるから楽しいピニャータ。
作るのも風船を使ったり、材料も安心なものなので、お子様と作ると楽しいいんじゃないかな。
人が集まる席のゲームにどうぞ。盛り上がりますよ！！
おまけ。
おしまい。