12月の上野恩賜公園で晩秋の美に浸る
仕事がひとつ終わり納品した帰り、天気が良いとわりと長い距離を歩く。神田から上野まで。コースもだいたい決まっている。
下手すると徹夜明けのこともあるので、早く帰って布団で寝たいとも思うが、やはり散歩loverたる者、晴れていれば散歩を優先させる。
12月に入り、それまでの暖かさはどこへやら、いよいよ冬らしい寒さがやって来た。
まだ紅葉を楽しめればいいのだが……
🍁 🍁 🍁
上野公園に到着。
不忍通り沿いのイチョウが鮮やかに黄葉している。びっしり密集した明るい黄金色の葉は、きらびやかだ。
不忍池を覆う蓮の葉も濃い褐色に変わっていた。
視界に入るマンションやビル群も景観のうち。ここは、街に溶け込む都会のオアシス。
寒空の下で可憐に咲く桜を見つけた。
四季咲きのようだ。
少し先にはまた大きなイチョウが聳える。黄色はやはり遠くからでも目立つ色だ。
木の下では子どもが駆け回って遊び、なかなかに微笑ましい光景。
そこここでまみえる真っ赤なもみじ。
園内のふだんは歩かない場所にも足を延ばしてみる。
おや、こんなところに階段が?
のぼってみると、思わず感嘆の声を上げてしまうほど素敵な眺め。
彩り豊かな木々にぐるっと囲まれ、ちょっと秘密の場所的な雰囲気。今度来たときはここで休憩しよう。
あとで調べてみたら、ここは古墳群のひとつで摺鉢山というらしい。
古墳とは意外だ。どうりでひっそりと静謐な空気が漂っていると思った。
ゴミを捨てる大きな袋が真ん中に置いてある。ほかにも園内には大きなゴミ捨て場が何か所もあり、ゴミが散らかっているのを滅多に見ないのはそのお陰だろう。
見上げるとここにも、真っ赤なもみじ。
着物の柄のよう。
秘密の丘 ---- 摺鉢山を下りる。
上野駅の方角へ向かうと、また桜が咲いていた。こちらは春と秋に咲く十月桜。
この日最後のイチョウは、上野の森美術館のあたり。
整った樹形にしばし見とれる。記念撮影している人たちもちらほら。
冬はまだ始まったばかり。
秋の名残をじゅうぶん愉しめる散策となった。
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