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7インチ盤専門店雑記842「ハート・オブ・ストーン」

今週いっぱいローリング・ストーンズの7インチ盤について書く予定でおりましたところ、昨日多くのストーンズ盤に売約済みがついてしまいました。実は常時数日先のアップ分まで書いてありますので、今週はこのままストーンズのネタを続けます。すべて既に売れてしまった盤ですのでご了承ください。

ローリング・ストーンズが1964年12月にリリースした「Heart Of Stone」ですが、こんな初期からこういったバラードが必要でしたかね?ハリウッドのRCAスタジオで録音されていますが、やはりアンドリュー・ルーグ・オールダム主導で録音された曲なんでしょうかね。米国では翌年2月にアルバム「The Rolling Stones, Now!」に収録され、英国では翌年9月にリリースされたアルバム「Out Of Our Heads」に収録されます。

この辺の英米の違いで、ストーンズ・コレクターは勉強させられるわけですが、私がLPを集め始めた頃には既に細かい資料が手に入りましたからさほど問題とは思いませんでした。米国リリースに関しては「なんでやねん」という気分はありましたけどね。でも最初から米国市場狙いなんだなと考えれば納得のいく部分もありまして、そんなことを考えながら集めて行くのはなかなか面白い作業だったりします。

この曲に関しては、有名な別テイクがありまして、1975年リリースのレア音源集「Metamorphosis」に収録されている長いヴァージョンでは、ジミー・ペイジがギターを弾いております。自分はオリジナル・リリースよりもこちらの方が馴染が深く、以前にやっていたラジオ番組でもご紹介したものでした。

さらには、オールマン・ブラザーズ・バンドが2003年のアルバム「Hittin' The Note」でカヴァーします。デレク・トラックス好きの間でも評判のよいテイクでして、まあ艶やかな音色のギターを弾き倒しております。ストーンズ・ナンバーは印象的なリフが多いので、多くのカヴァーを生みますが、これなんぞは他にあまり目立った良質カヴァーがないので、「何でこの曲?」という気もしないではない選曲です。確かに悪くはないのですが、何気にギターを弾いていて「これ何だっけ?」程度だったのが、いい感じにハマったのでアルバムに収録したかと思わなくもないですね。

7インチ盤ですが、当然ながら1965年の盤ですから、状態のいいものはレアです。手元にあるのは370円定価の当時物で、かなり状態はよろしいかと思います。まあお宝盤だとは思います。ライナーの解説はDJ高崎一郎氏、…何だか時代を感じさせる文章がカワイイので転載します。

■ハート・オブ・ストーン
「なんだい、あの女の子。鼻をツンと尖らして、僕の方には目もくれないで!畜生!やっつけてやる!
・・・・・オホホホホ、あなたは石を叩き割るつもり?およしなさいってば。早くお家へお帰りな。私の心は石でできてるの、怪我しますわよ」
■ホワット・ア・シェイム
「ナンチュウコトカ!思いどおりに行くのは何1つない。ナンチュウコトカ!何でも思いどおりになると思ってた僕は、ナンチュウ馬鹿者だったか!アア!」

7インチ・シングルの解説より

このあたりの7インチ・シングルを眺めていると和むんですよ…、ホント。もう60年前なんですよ。この人たち、長く活動してますからね。まあ、この時点で80歳になってもやっているとは誰も思わなかったでしょうけど。60sの悪ガキ・キャラで売り出して…、とかいろいろ考えながら、ついついニヤニヤしてしまいます。


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