7インチ盤専門店雑記791「Behind The 8 Ball」
ベビー・フェイス・ウィレットの「ビハインド・ザ・エイト・ボール」、好きなんですよねぇ…。ニヤニヤしながら聴いてしまいます。格好良いというのともちょっと違うんです。…カワイイと言うんですかね。若い女の子が何でもかんでも「カワイイ」と言うのとも、ちょっとニュアンスが違うかも知れません。オルガン・ジャズということになりますが、…ジャズですかねぇ?ブルーノートに録音した盤もありますから、ジャズに分類されてしまうのかも知れませんが、私の感覚ではあまりジャズだとは思っておりません。
1961年にブルーノートに2枚録音しているんですよ。4000番台ですね。4068と4084、「フェイス・トゥ・フェイス」と「ストップ・アンド・リッスン」ですね。オルガンのジミー・スミスとかギターのグラント・グリーンが売れるものだから、アルフレッド・ライオンさん、「オルガン・ジャズはいけるかも」と思いましたかね。ベビー・フェイス・ウィレットのこの2枚はレコード・コレクター界隈では結構入手困難な高額盤ですよね。一応CDでは買いました。LPは…買おうとか欲しいと思ったこともありませんね。
恐らく安く売っていたのだと思いますが、手元にあるベビー・フェイス・ウィレットの「ビハインド・ザ・エイト・ボール」、随分昔に買ったような気がします。まだブルーノートの1500番台あたりを買い漁り、聴きまくっていた頃かと思います。ジャズを勉強していて、「お、ブルーノートに録音しているオルガン奏者だな」というだけで買ってみて、思い切りコケたんですよ、最初は。だって、ジャケットは結構格好良いではないですか。…今現在でも、もの凄く好きなジャケットなんですけど。
まあA面に針を下して、しばらくはニヤニヤニヤニヤ笑ってます。ピンク・パンサーか、拳銃片手に千葉真一さんでも出てきそうな音です。…オースティン・パワーズの方かな。何なんですかね、…やっぱりジャズとは言わないよなぁ。ARGOというよく知らないレーベルからリリースされておりますが、シカゴで録音されています。…やっぱりブルーノートとかのジャズの音ではありませんね。
ただし、B面に行くと、渋さ2割増しくらいになります。特にラスト2曲が今となっては気になります。ニュー・オリンズ系のスタンダード「St. James Infirmary」、そしてスティックス・フーパーが書いた「Sinnin' Sam」、この辺が好き者には訴えかけますかね。フリー・ソウルだのという90年代に流行っていたコンピ盤にもベビー・フェイス・ウィレットは入っていましたからねぇ。…私はその辺はぜんぜん体質的に受けつけなかったんです。今だから少しは聴けるという程度です。…フリー・ソウルってジャンルがあるわけではないと思うのですが、この辺の音はジャンル分けなんてできませんよね。
オークションで随分高値で取引されていたのですが、…A面を聴いてぶっ飛んだんじゃないでしょうかね。勉強ですよ、勉強。…この手の音楽が好きな人がいらっしゃったら、ゴメンナサイ。