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7インチ盤専門店雑記522「Deluxe Edition」

ゴールデンウィーク、定休日以外は営業するという、ジンジャーとしては珍しい動きになっておりますが、さすがにいつもより時間があるので、自宅のCDラックなんぞをボーっと眺めておりました。そうすると目に着くのは分厚いケースのCD、2枚組3枚組という意味ではなく、やはり豪華装丁のデラックス・エディションです。もっと大きな箱のヤツはレコード・ラックの方にあるので、時々は目にするのですが、CDラックに普通のCDと一緒に並んでいるこういった盤はあまり目にする機会がありません。「おや、こんなのもあるのか」といった驚きに満ちた時間ですが、自分で買ったことを忘れているボケ爺の典型行動ですな…。

まず気になったのがトラヴェリング・ウィルベリーズ。時期が時期だけに、あまりアナログ盤への拘りはないのですが、先日オリジナル・リリースの「Handle With Care」の7インチ・シングルが旅立っていったのは、寂しい気分になりましたね。再発時の7インチはまだありますが、少々お高くてもあれば買う人は買う音源です。

はてさて、ここで問題なのは当然ながらBonus Trackなどという未発表音源だったりします。…実はBonus Trackにいいものはほぼ無いと思っている人間ですから、よほど好きなアーティストの好きな盤のデラックス・エディションでないと聴きませんけどね。

トラヴェリング・ウィルベリーズの場合は、1枚目のボートラ「Maxine」がいいですね。この曲は本体に入れておいて欲しかったなぁ。「Like A Ship」の方はどうもヴォーカルがあまり好きになれなくて…。「Maxine」のサビの部分、耳に残るメロディです。映像部分も嬉しい仕様で、ジョージ・ハリスンもボブ・ディランも、意外なほど楽し気にやっておりますね。ちょっと若いジェフ・リンとトム・ペティは緊張しているかなといった表情が微笑ましいです。

U2の「WAR」も気になります。かなりしっかりした箱にブックレットが収納されているような、カッチリ感が心地よい装丁です。ここではRemixの聴き比べでしょうか。特に「New Years Day」はLPヴァージョンと7インチ・シングルが別物ですし、何種類もRemixが存在します。アメリカ市場を睨んだかなり頑張って作られたアルバムであることが知れ、その検証作業が楽しかったりします。未発表曲的なものは7インチ・シングルのB面曲だったりするので期待はしませんでしたが、Live音源で埋め尽くされたボーナス・ディスクとは違って、それなりに楽しめます。

まあ、そういう意味で、さほど愛情が感じられないのがトラフィックの「ジョン・バーレイコーン・マスト・ダイ」でしょうか。大好きな盤だけに、期待した2枚組CDでしたが、Alternate Take的なものが3曲、あとはライヴという、よくある、まあまあ、ネタがないのね的なものです。ちょいと残念。

期待してなかったわりには楽しめたのが、ジョー・ウォルシュの「アナログ・マン」だったりします。これは普通のスリム・ケース・サイズです。まあ文句なし高音質のLPで大満足の一枚でしたが、CDはDeluxe Editionが最初から存在します。ん十周年記念盤のようなものではないので趣きは違いますが、オマケでついてくるDVDにはライヴ・シーンも結構入っています。

この盤、ジェフ・リンがプロデュースしているんですよね。ジョー・ウォルシュでなければ、さほど気にはしませんが、ビートルズ関連音源のリマスタリングやらメンバーのソロにやたらと協力しているジェフ・リンが、ジョー・ウォルシュの盤を手掛けていることの面白さ、…侮れませんぜ。↓ このライヴ映像にも出てきます。

収録時間に余裕があるCDというメディア、こういう使い方でアナログレコードと共存できたのに、最近の残念な立ち位置が哀しくもあります。

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