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7インチ盤専門店雑記302「映像の時代」

自分のラジオ番組のOAを聴いて、思い切り懐かしくなってしまいました。「80sの女性ヴォーカル特集」だったのですが、時代の空気感を孕んだ曲ばかりで、「いやあ堪らん」などと独り言が出てしまいました。とりあえず時代を象徴するような曲をリストアップし、自分の好きな曲で、まだかけてないものはどれか、ということを念頭に選別した結果のセットリストだったのですが、やはり強烈な個性とともに、キャラキャラとでも言うべき、明るい時代の音が懐かしいのなんの。

プリテンダーズやチャカ・カーンはとりわけ好きな曲でしたし、エディ・ブリッケルは機会があればかけたいと常に思っていた曲なので、ちょいと嬉しかったですね。もうあまりラジオでは聴かなくなってしまった曲ですからね。スザンヌ・ヴェガの「トムズ・ダイナー」も時代を語る上では欠かせない気もしていましたが、いつの間にかラジオでは聴かなくなってしまいました。

そして、すべてに共通して言えることなんですけど、やはり映像の時代の曲なんです。どれもこれも、ヴィデオクリップのシーンが思い出される曲ばかりです。シンディ・ローパーはもう例外的というか、異様なほど鮮明に思い出せることに驚きもしました。

結局そんな懐かしい時代を思い出していたら、やはり脳内再生されてしまう曲がありましてね…。ヘッダー写真のチープ・トリック「ザ・フレイム」はCMで使われていたので、刷り込まれているんですよ。ベスト・ヒットUSAのスポンサーがブリヂストンだったので、やたらと聴かされた時期もありましたからね。でもこの盤はアナログ最終期ですから、結構レアです。それでも、あの深いエコーのギターが出てくる瞬間が、ぞわぞわするほど好きでした。

そして、もちろんV.T.sですね。ベスト・ヒットUSAのタイトルバックで流れていた「サーフサイド・フリーウェイ Don't Worry Baby」です。80sという時代を象徴する一曲という気もします。もちろんMTVの方も懐かしいんですけどね。いい時代だったとは申しません。好景気に踊らされたというか、振り回された記憶もしっかり残っていますから、なんだか甘いような苦いような微妙な感覚です。今の若い人たちは好景気というものを知らないという一事が気の毒ではあります。知らなきゃいいも悪いも好きも嫌いもあったもんじゃないですよね…。


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