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7インチ盤専門店雑記723「ザ・ナック」

The Knack、特大ヒット曲「マイ・シャローナ」の一発屋としてしか語られませんが、そうでもないんですけどね。何故かザ・ナックの話題になると、ニヤニヤしながら「ナックねぇ…」という方も多いのですが、個人的にはもう少し正統に評価してあげてもいいかなと思わなくもないわけです。7インチ盤専門店的には一応よく売れるバンドですからね。…もちろん「マイ・シャローナ」だけですけどね。

このバンド、デビュー時のプロデュースをマイク・チャップマンがやっております。スージー・クワトロやスイートやブロンディといったポップ・ロックのヒット・メーカーですね。実はそれだけで私なんぞは買いということになります。チャップマン=チンにハズレなし、よくぞここまでポップな曲が作れるものだという世界です。

それにしても、デビュー曲からよく売れました。ファースト・アルバム「ゲット・ザ・ナック」はビルボードで6週連続1位、シングル「マイ・シャローナ」は5週連続1位、1979年の年間No.1ですからね。それだけでも十分に凄いと思います。加えて、2ndシングル「グッド・ガールズ・ドント」は最高11位、「ベイビー・トークス・ダーティー」は38位と3曲連続でTop40ヒットなんですけどね。他の曲はもう忘れられてますよね。

あれでも、売り出し時はビートルズの再来みたいな言われ方だったんですけどね。全然ビートルズっぽくないなと思っている傍ら、売れましたから、結果を出しましたから、いいんでしょう。

とにかく、ヴォーカルとギターのダグ・フィーガーの個性が好きか嫌いかなのかもしれませんが、彼は既に他界しております。2010年に脳腫瘍他で闘病の末ということです。脳の血管が切れそうな歌い方でしたが、ああいうのはあまりよくないのでしょうか。実はドラムスのブルース・ゲイリーという人物はその前2006年にやはりリンパ腫か何かで亡くなっております。ドラムスの穴を埋めていたのはミスター・ビッグのパット・トーピーなんですけど、彼も亡くなりましたね。実は1982年に既に一度活動を停止しており、1998年に活動再開するのですが、その時のドラマーはギター・ショップ・トリオのテリー・ボジオでしたからね。

ライヴをやればあの大ヒット曲のイントロでどうせ盛り上がるのは分かっていることでしょうから、本来はドラムスには拘りたいところかもしれません。

何と申しましょうか、オールディーズの感触に近い高校生のラヴ・アフェアー的な世界観の歌詞が嫌いでなければ、フツーに聴き易いギター・ポップなんですけどね。やはり特大ヒットのイメージに引っ張られますかね?…ちょいとクセがありますからねぇ。

カヴァー・バンドじゃなかった、コピー・バンドでやるなら、下手に小難しい曲をやるよりも、こういったシンプルなリフを繰り返すような曲を、ビシッと決める方が格好良いと思うのは私だけでしょうか。



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