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FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 096:フェスの季節に聴くライヴ盤特集アメリカ編

さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第96回(2023年7月28日(金)20時~
(再放送:7月30日(日)19時~)

清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。

今週はフェスの季節に聴くライヴ盤特集アメリカ編です。

1曲目
「I Can’t Turn You Loose」Blues Brothers (1978)

「アメリカを代表するライヴ盤、そんなものあるんかい?」と言いたくもなりますが、まずはこの辺からスタートしましょう。1978年の「ブリーフケース・フル・オブ・ブルース」という大変有名なライヴ盤の冒頭の一発です。これ映画のサントラとも違いまして、映画の撮影も兼ねて実際にやったライヴの音源です。観客には説明したでしょうけど、映画がヒットした後とは違って、まだ「ブルース・ブラザースって何?誰?」といった状況でやったわけで、盛り上がること自体が凄いとは思いますが、今更によくやりましたよね。でも「ライヴのオープニングはやはりコレでしょう」というイメージが定着したかと思います。してない?私はしましたけどね。

2曲目
「Are You Ready」Grand Funk Railroad (1970.06.)

3曲目
「Sky High」Atlanta Rhythm Section (1979)

オープニングが印象的な盤を2枚ご紹介しました。高山はこれまでに千回は行ってませんけど、何百回かはライヴに行きまして、もちろん大好きです。でもカラダを壊してからは、もう十分楽しんだかなということで、ライヴは引退しました。実際2時間なりのライヴを集中して聴けるだけの体力がもうありません。楽しめると思えないので、諦めもついております。それでもライヴが始まるときのワクワク感、照明が落とされた瞬間のドワーっていう盛り上がる感じ、大好きです。ARSは、開演前に「タラのテーマ」が流れているあたりも最高の演出です。

4曲目
「Statesbolo Blues」The Allman Brothers Band (1971)

もう一曲オープニング曲をご紹介しました。先般ブルース・ロック特集でも少しかけましたオールマン・ブラザーズ・バンドの大名盤ライヴ「アット・フィルモア・イースト」から「ステイツボロ・ブルース」です。高山的には、ライヴの名盤の条件の一つに「オープニングが格好いい」というのがありまして、普通、終盤に向けて盛り上がっていくんですけど、まったり初めてだんだん盛り上がって行くのは、あまり好きではありません。一つのショーとしてきっちりとしたオープニング・チューンを持っている方が好みです。

5曲目
「Back Door Medley」ZZ Top (1975)

ライヴ会場に足を運べる人間は限られますから、現場に行けなかった人が疑似体験するためのライヴ盤というものもあります。ライヴ会場の雰囲気を見事に詰め込んだライヴ盤が時々あって、「これは素晴らしい」となりますが、スタジオ録音のレコードを聴くときよりも、こういった盤は当然ながら興奮しながら聴きます。ノリ一発と言いましょうか、少々ミスがあろうが、なかろうが、会場全体が一体となって、もの凄いグルーヴを生み出しているようなライヴ盤は堪りません。ここでは、高山が最も興奮したライヴ音源としてZZ Topの「ファンダンゴ」サイドAをご紹介しました。ノリと言うよりノセ方が上手いというか、いろいろライヴの最中に楽しませてくれます。

ZZ TOPは武道館で観ましたが、あのボウイの布袋寅泰さんが少し前にいらしてですね、非常に大きな方で邪魔でしたねぇ。それから近くにRCの忌野清志郎さんとかもおりまして、「ああ、みんなノリの研究にきてるのかな」と思ったものです。そのとき私は仕事帰りのスーツ姿で、しかも連れがZZ TOP好きの母親だったものですから、彼から「こういう人種もくるのか」というような変な目でジロジロ見られたことまで憶えています。懐かしいです。

6曲目
「Mary Had A Little Lamb」Stevie Ray Vaughan (1986)

この曲はバディ・ガイのカヴァーですが、ライヴで自分のルーツを晒すようなカヴァーをやってみたり、「こういうのがお好きか」という意外なカヴァーをやっているのも楽しいです。

7曲目
「A Apolitical Blues」Little Feat (1977.08.)

この曲ではミック・テイラーがゲストでギターを弾いています。有名どころのライヴとなると、多彩なゲストも面白いかと思います。カヴァー曲は、トラディショナルなライヴの定番曲みたいなものもあれば、意外な人がビートルズ・ナンバーをやったり、ライヴ盤の楽しみ方の一つとして定着していると思います。

8曲目
「Come Together」Aerosmith (1978)

ビートルズの曲をライヴでやって盛り上がるというのは今も昔もよくあることですが、意外なところではエアロスミスもやっています。映画「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のサントラでもやっている曲ですから不思議ではないのですが、ライヴでも意外にしっかり丁寧に演奏しているのが面白いです。

9曲目
「Ain’t That A Shame」Cheap Trick (1978.04.)

昔、日本人というのはノリが悪いと言われたんですけど、確かに70年代にライヴに行っていたころ、あの手拍子を聴くと、「アカンな、コレは」と思いました。日本で人気が出て本格的にアメリカで売れ始めた人たちもいます。クイーン、チープトリック、ボン・ジョヴィ等いろいろおります。チープトリックの「at武道館」は、反対に日本のコンサート会場としての武道館の知名度を上げたとさえ言われます。あの人たち、ランナウェイズの前座をやっていたときに、日本のメディアに繋がって、メディアが仕掛けて売れたバンドだったりします。日本の女性ファンが新しいアイドルに飢えていたようなことを言われますが、実際のところは日本のメディアの連中が見る目があったということです。

10曲目
「Questions 67 & 68」Chicago (1972.06.)

その一方で、アメリカでメジャーになってからも、日本が大好きで来日公演を繰り返し、日本語で歌ったりした人たちもおります。代表はシカゴでしょう。

11曲目
「Flip, Flop & Fly ~ I Can’t Turn You loose」Blues Brothers (1978)

アメリカの人たちはノセ方が上手いというか、ブリティッシュ・ロックのテクニックを聴かせてナンボみたいな真面目さとも違って、楽しませる、自分たちも楽しんでしまうことが上手いような気がします。締めもこの人たちでいかがでしょう。

次回はフェスの季節に聴くライヴ盤特集イギリス編です。お楽しみに。
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voice@fm840.jp

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