7インチ盤専門店雑記790「ミルウォーキー」
大谷ロスという言葉があるそうですが、メジャーリーグ・ベースボールの2024年シーズンが終了してしまい、毎日のように大谷君が活躍していたニュースが入ってこなくなって寂しいわけですかね。まあ分からなくもないです。私はスポーツ観戦とかは苦手ですが、メジャーリーグの結果だけはニュースサイトで毎日チェックしているので、普通以上には詳しいです。やはり巨人・大鵬・卵焼きと言われた時代の子どもでしたから。
メジャーリークにミルウォーキー・ブルワーズというチームがあります。ウィスコンシン州最大の都市ミルウォーキーが本拠です。着ぐるみが走るソーセージ・レースのあそこなんですけどね…。弱小チームですから、応援しています。ミルウォーキーは人口57万人と言いますから、江東区より少し多いくらいですが、よく知られた名前ですよね。ビール醸造のまちですね。ビールのブランドではミラーとかが有名ですかね。サッポロビールが昔、北緯43度線にあるビールの世界3大醸造地として、「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」というキャッチコピーを使っておりました。そのせいか知りませんが、ゲルマン系が多い土地としても知られております。
1968年5月リリースのジェリー・リー・ルイスの曲に「ミルウォーキー What's Made Milwaukee Famous (Has Made A Loser Out Of Me)」があります。…原題は長いですね。いい邦題です。
これを1972年にロッド・スチュワートがカヴァーします。ジミヘンのカヴァー「エンジェル」と両A面で英国では4位まで行きます。「エンジェル」は「Never A Dull Moment」に収録されておりますが、「ミルウォーキー」はアルバム未収録です。…貴重音源というわけですね。この曲、結局「何がミルウォーキーを有名にしたか」という内容ですからビールのことを歌った曲なんですね。ロッドはもう少し強い酒がお好きでしょうが、お似合いの曲かもしれません。…彼の趣味はサッカーと鉄道模型でしたね。
1970年代前半のロッド・スチュワートはフェイセズの音源もソロでも最高に格好良いロックンロールを聴かせます。70年代後半から80年代も悪くはないのでしょうが、70年代前半は格別です。7インチ盤の市場がまた如実にそのことを反映しておりまして、もう全然手が出ません。オークションとかも滅多にいいブツが出なくなりました。オリジナル・リリースの最終的な落札価格は万超えもザラといった状況です。
ちなみに1973年には、「ノット・マイ・ベイビー Oh! No Not My Baby」という、ゴフィン=キング作でマキシン・ブラウンが歌った1964年のヒット曲のカヴァーもあります。シェールもカバーしてますね。この曲、バックアップはまんまフェイセズです。そして、これもアルバム未収録です。…コレクターズ・アイテムをつくってくれます。
この一月ほどの間に、複数のお客様からこの辺の盤は「安すぎる」と言われましてねぇ…。6000円〜7000円の値札がついていたんですけどね…。既に持っていらっしゃるのかお買い上げではありませんでしたけどね。こんなもんじゃないんだよと、散々言われましてねぇ…。こちらとしては、承知の上で付けている値札ではあったものなんですけどねぇ…。まあ先般、フェイセズの「ステイ・ウィズ・ミー」も旅立ってしまったことですし、せっかくですから価格改正させていただきます。
どっちも極めて状態がよろしい盤ですからねぇ…。