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7インチ盤専門店雑記876「West, Bruce & Laing」

マウンテンのレスリー・ウエストとコーキー・レイングにクリームのジャック・ブルースがくっつくかたちで結成されたウエスト・ブルース&レイングです。1970年代初頭、グランド・ファンク・レイルロードと並び称され、アメリカン・ロックを代表するバンドだったマウンテンですが、そこにパワー・トリオの代表格だったクリームのベーシストが加われば、まあ注目はされたと思います。そもそもマウンテンのベースはクリームのプロデューサーだったフェリックス・パパラルディですから、クリームと比較されても仕方ないですね。レスリー・ウエストはアメリカ人、コーキー・レイングはカナダ人、ジャック・ブルースはスコットランド人ですから、アメリカン・ロックとは言い切れないのですが、マウンテンはアメリカン・ロックと言われますよね…。ブリティッシュ・ロックとは違いますね。

コロムビアとRSOでかなり競ったようですが、巨額の契約金をとりつけて、コロムビアからファースト「Why Dontcha」が1972年にリリースされました。ロンドンのオリンピック・スタジオで録音して、英国ツアーも敢行、ビルボードのアルバム・チャートで26位まで行きましたから、まあ大ヒットでしょう。

翌1973年にセカンド・アルバム「Whatever Turns You On」を、ファーストと同様にオリンピック・スタジオで録音します。まあドラッグ禍とメンバー間の不仲で、制作途中に2人は米国へ逃げ帰り、残されたジャック・ブルースが一人で仕上げたということです。リリースにはこぎ着けますが、前作ほどは売れません。…当然の帰結ですかね。

1974年にはライヴ盤もリリースされますが、契約消化とかですかね、これも売れません。3人組って難しいんですかね。どうしても2対1になりがちですしね。

ところで、このWBLをマウンテンと同様と考えるのは難しいですかね?やはりジャック・ブルースの存在ってそんなに大きいのでしょうか。マウンテンの場合、初代ドラマーは短期間しかおりませんで、2代目コーキー・レイングとギターのレスリー・ウエストの2人がいればマウンテンという気もしますけどねぇ…。

それほど熱心に聴いてきた連中でもありませんが、子どもの頃、ラジオからはそれなりに流れていたように記憶しております。結局AMで聴いておりますから低音なんか出ているわけがなく、ベースの印象は薄いものでマウンテンの曲の方が好きだったなという程度です。…結果として個人的にはジャック・ブルースの印象が思い切りよくないんですよねぇ…。まあロック・ヒストリーを語る上では重要な人物でしょうし、このバンドももっと語られて然るべきかとは思いますけどね。

マウンテンのジャケットもねぇ、後々フェリックス・パパラルディを殺してしまう奥さんのゲイル・コリンズが描いてますから、なんか呪われているような、素直に好きと言えないところもありましてねぇ…。カッチリとフォローはしていなかったんですよね。先般お問合せいただいたのですが、マウンテン関連はあまりないんです。

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