7インチ盤専門店雑記600「Come In From The Rain」
昨夜は凄い雨でしたね。久々ずぶ濡れになりました。トークイベントの最中から雷鳴が聞こえ、雨雲レーダーを眺めつつ、洗濯物が…とそわそわしたり、皆さん落ち着けませんでしたかね。7月20日頃の夕立は毎年のことですが、やはり雨は嫌いです。
「Come In From The Rain」という曲があります。邦題は「雨に想いを」といいます。昨夜のような雨と違って、もう少しロマンティックな雨なのでしょうか…。ウィッシュボーン・アッシュの「Front Page News」に同名曲がありますけど、あれは別曲です。作曲はメリサ・マンチェスター、作詞はキャロル・ベイヤー・セイガーです。多くのアーティストがカヴァーしておりますから名曲なんでしょう。…カヴァーが多いというのは、名曲度の一つのものさしではありますよね。
初出はキャプテン&テニール、1977年5月にビルボードで18位まで行くヒットになっております。彼らのサード・アルバムのタイトルにもなっておりますから、よほど気に入られたのでしょう。まあ、キャプテン&テニールというと、「愛ある限り Love Will Keep Us Together」という特大ヒットがありまして、他の曲を言われても思い出せません。…「マスクラット・ラヴ」もあるか。あれも好きな曲でした。
YouTubeなどで検索すると、他にはダイアナ・ロスも出てきますね。1977年9月リリースのアルバム「Baby It's Me」のラストに収録されています。えー、クレジットによりますと、ここでエレピを弾いているのはあのトム・スノウですね。何だかメリサ・マンチェスターとキャロル・ベイヤー・セイガーというだけでも凄いカップリングだと思うのに、やたらといい曲を書くコンポーザーの名前が出てきますな…。
えー、この曲、もっと売れると思っていらっしゃいましたかねぇ、メリサ・マンチェスターもキャロル・ベイヤー・セイガーも、ご自分のアルバムに収録して歌っております。キャロル・ベイヤー・セイガーは1977年にリリースしたファースト・アルバムの冒頭1曲目、シングル・カットまでしております。メリサ・マンチェスターの方は、1982年リリースのアルバム「Hey Ricky」の7曲目に収録しておりますね。
こうなると、やはり聴き比べしたくなってしまいますよね。…なりません?…なりますって。まあ、とにかくキャプテン&テニールとキャロル・ベイヤー・セイガーの7インチ・シングル2枚が手元にあります。…盤が聴き比べろと申しております。…ハイ、聴き比べました。なるほど、キャロル・ベイヤー・セイガーさん、ご自分で歌ってみて納得しましたかね。ちょいとハスキーなヴォーカルがこの曲によく合っております。カティサークのCMで使われたんですね。こういう情報は7インチ盤があれば簡単に得られますが、意外に忘れられていたりもしますし、ウェブで引っかかってくるかはどうかは運ですから…。
ビルボードで18位までいった、キャプテン&テニールがイチバン売れたようですが、このテイク、作者ヴァージョンを聴いた後だと、ちょっと違和感を覚えてしまいました。上手い人特有の違和感、…
歌い過ぎではありませんかね?
思うんですけど、オリジナルとか初出が完璧なテイクだと、よほど好きでもカヴァーしづらくないですかね?とても超えられないと分かっているオリジナル・テイクを前にして歌い難くないですか?自分ならこうするといったプロポーザルができる程度がいいんじゃないですかね?…そんなことないのかな?
ジャズ・シンガーをはじめ、諸々カヴァーがあるようですが、…ご興味おありでしたら、YouTubeで検索してみてください。シャーリー・バッシ―とか、イーディ・ゴーメとかいろいろ出てきます。私、個人的には、作者ヴァージョン1号…キャロル・ベイヤー・セイガーに軍配を上げました。