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さらまわしネタ帳045 - 顔はめ
月がかわると税理士さんや社労士さんとのやり取りが少しありまして、必ずやらなければいけない月次処理というヤツです。臨時休業していても、作業量はさほど変わりません。日次の処理は無くなってしまいますが、月次処理は休業手当関連などもあって、むしろ作業が増えます。大抵一週間くらいはそういったことで時間をとられているのですが、さすがに今回は作業量多めにもかかわらず、さっさと終わってしまいました。4日目からレコ屋作業に戻れるとは思っていなかったので、間に合わない消耗品等も出てしまいました。
ヘッダー写真のように白ジャケットは常時かなりの数在庫を持っておりますが、内袋や外袋などはお値段もはるので、あまり買い過ぎないようにしています。まあAmazonでも買えますし、ディスクユニオンあたりに出かければ手に入るものではありますが、少しはこだわりがあったりもします。扱う量が結構多いので、頻繁に価格チェックもすることになります。どうでもいい話ですが、日本のものはこういうものまで本当にクオリティが高いわけで、反対に輸入品のいい加減さに呆れたりもします。
LPの白ジャケットはクオリティの差なんて強度しか気になるところがありませんが、7インチ盤の場合、たかが丸い穴があいているというだけで、随分気になる箇所が増えてしまいます。とにかくペラペラの薄い紙のものは、あまりこだわりなく取り替えてしまいますが、少しでも柄が入っていたり、ロゴが印刷されていたりすれば、絶対に捨てません。むしろボロボロになっているような場合は、厚い白ジャケットの出番です。黄色いシールで価格表示を済ませてしまう廉価盤でも扱いは同じです。
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自分が国内盤に拘る理由は必ずスリーヴがあるからですが、スリーヴ付きの輸入盤でもある程度OKという気分にはなります。リアルタイムでは輸入盤の7インチってほとんど見たことがないので、懐かしさの次元が違うということにはなります。
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レーベルの情報だけだと、なんだかレコ―ドがCDと同じような音声データの入れ物的に感じてしまうから、つまらないんです。パッケージ・メディアとしてのレコードとCDを括ってしまう大雑把さが気になるので「フィジカル」という言葉を自分は使いませんが、ラベル情報だけの盤を見ると、つい「フィジカル」と感じてしまいます。
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輸入盤の大雑把さが気になるのは、この ( ↓ )プロフェッサー・ロングヘアの盤のように、穴の位置が大きくずれているものもあるからなんですが、加えて手を切りそうになる断面処理のものが意外に多いんです。ここまでずれているものは珍しいですけどね。ラベルがずれている盤までありますから、あちらでは大したことではないのでしょう。
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ウチの場合、ある程度の目安ですが、概ね5000円以上の盤は白ジャケットに盤を収納して一つの外袋に入れております。某大手さんでも時々見かけますが、中には万引き対策のチップが入っていたりもしますから、…大変なんでしょうね。ウチはショップ・イン・ショップなので、そういう対策は必要ありません。
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袋型のスリーヴの場合、底抜け対策も兼ねて白ジャケットに入れることが多いのですが、高額な盤だからということではなく、やはり丁寧に扱いたいブツということになります。日本フォノグラムのモノラル盤は袋型なので、白ジャケをつけることが多くなります。ただし日本フォノグラムの盤で底抜けなどの擦り切れが見られるものはあまり多くありません。私が状態の悪いものは仕入れないからかもしれませんが、その辺の事情も鑑みて、「国内盤は出来がいいな」という印象です。50年以上前のものが、変色やシミもなく、かなりいい状態で残っていますからね。もちろん前オーナーさんが丁寧に扱う人だったかどうかで大きな差は出ますが、輸入盤に比べたらダメージの受け方が違う気がします。ただ、国内盤でも素材の湿気対策に失敗した盤というのもあります。同じタイトルのものはみーんなカビが出ているといったヤツですね。
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顔はめ的なラベルの情報だけの盤と、こういった愛着を感じられるスリーヴがついている盤とで、値付けが違っても当然だと思うのですが、これが一概に言えないところが、この世界の難しいところです。オリジナル盤であることや、音のクオリティなどいろいろな判断材料から価格は決まりますから、顔はめも侮れないんですけどね。ウチはやはり国内盤に拘ります。
私は自分が好きな曲じゃないと、平気で顔はめを廉価盤ボックスに放り込みます。よそのお店とはそこが違うらしいのですが、時々お客様に驚かれます。もちろん喜ばれます。顔はめ、実は結構早くいなくなります。