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7インチ盤専門店雑記879「ジョージー・ガール」

1966年の大ヒット「ジョージ―・ガール」、歌ったのはオーストラリアはメルボルンのグループ、ザ・シーカーズです。私的には6歳の時の曲ですから、思い入れがどうのというものではありません。当然リアルタイムでは知りませんでした。でもいつの間にか口ずさめるようになっておりました。…何でなんですかね。こういうときは、CMで使われたというのが最も疑わしい原因ですが、この曲はバービー人形のCMで替え歌が使われたとかいう記述はありますが、他は特にありません。やはりラジオから流れてきたとかで、耳が憶えたのでしょう。もう一つ考えられるのは「ジョージ―・ガール」という同名映画があって、そこでも使われているのですが、観た覚えがありません。

フォーキーなポップ・ソングですが、ヒットチャートがビートルズやローリング・ストーンズなどの影響で、一気にエレクトリックなロックの方向に行ってしまったときに、一方でフォーク・ブームがあったわけで、揺り戻しのようなものでしょうか。時代的に全く違和感はありませんが、そういった背景を考えると、あえて古くさく感じるような音質で録音し、素朴さを感じるようなアレンジを施されていることの理由がみえるような気もします。これで良かったのでしょう。…実際売れたわけですからね。キャッシュボックスでは1位になったものの、ビルボードでは最高位が2位なんですと。モンキーズの「アイム・ア・ビリーヴァ―」に阻まれたということです。…なるほどといった時代です。

このところ、体調不良でお店を閉めるか誰かに譲るかといった検討に入ったわけですが、有り難いことに猛烈な反対を喰らっておりまして、「さてどうしたものか」となっております。思い切り音を出してアナログレコードなどを楽しめる環境というものは、ありそうでなかなか無いということで、せっかく十年も続いたのに勿体ないと言われるとそう思わなくもないのですが、如何せん具合がよくないわけです。少し頑張り過ぎました。結果、すべてにおいて弱気になっております。

こういう時にはなかなかハードな曲は聴けないもので、さて明日はnoteで何を紹介するかと考えたときに、ふとアタマの中で流れてきたメロディが「ジョージ―・ガール」だったんです。取り立てて好きな曲というわけでもなし、何か記憶とリンクしているわけでなし、何でなんだろうと考えても思いつくものもなし、この曲のWikipediaもチェックしてみましたが、面白いネタは何もありません。作曲者がダスティ・スプリングフィールドのお兄さんのトム・スプリングフィールドだということくらいです。

まあ、そんなわけで、この曲をご紹介するにあたって、「私はロックでもジャズでもなく、やはりポップスが原点にある人間なんだ」ということくらいしかないわけです。…でもポピュラー・ミュージックなどというものは、そんなものなのかもしれません。私が今所有しているレコードやCDを全部処分したところで、音楽好きであることに変わりはなし、この曲を耳にしても「懐かしいな」というだけのこと、世の中それで何も変わらないわけです。ここにあるレコードも欲しい人のところに行けばいいという感覚しかない、コレクターにあるまじき考えを持った人間なんですけどね。

難しく考えずにシンプルに思うままに行動してきた結果今があるわけで、おそらくこれからもそこは変わらないでしょう。…まずは少しカラダを休めないといけません。店はたたむにしても続けるにしても次のステップに進めるわけで、落ち着いたらこんなポンコツ爺でも何かできることはないかな、という程度で人生は続いて行くのでしょう。

"Hey there, Georgy girl…" 今さらに親しみやすいメロディかと思います。


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