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7インチ盤専門店雑記143「ホーボーズ…」

自宅に軟禁状態なので、仕方なしに(?)自宅のレコード・ラックをいじっています。LPは自宅にもお店にも置いておきたい、CDももちろんあって、…絶対手元には一枚あって欲しいくらいに好きなアルバムというものもあります。これもそんな一枚です。昨年8月に下町音楽夜話の最終号でマイ・ベスト100枚を挙げておりますが、そこでは36位にランクインしているものの、日によってはTop10に入ってきそうなくらいに好きな盤ではあります。そういえば、上位の盤って、同様に複数枚持っていますね…。

ドン・ニックスの1973年のアルバム「ホーボーズ・ヒーローズ・アンド・ストリート・コーナー・クラウンズ」です。前年の「アラバマ・ステート・トルーパーズ」に続いてリリースされた3枚目のスタジオ・アルバムですね。大名盤でしょう。ジョージ・ハリスンがゲスト参加しておりますが、クレジットされておりません。ビートル・マニアにとっての最難関の一枚でしょうか。かなりレア盤かと思います。正直、売れてません。チャートとは縁のない人です。でも名盤です。バングラデシュ・コンサートのときに盟友レオン・ラッセルと各方面で尽力したことのお礼で、ジョージは参加したように言われておりますが、本当のところどうなんでしょうね。それなら無理してでもクレジットすべきですよね。

まあ、ジェフ・ベック(BBA)がカヴァーした「ブラック・キャット・モーン」や「スイート・スイート・サレンダー」のオリジナルが収録されているだけでも十分に話題性もあるように思いますが、両曲とも、私はオリジナルの方が好きです。BBAのプロデュースも彼がやっているので、どっちがいいもないんですけどね。ジェフ・ベックお得意の「ゴーイング・ダウン」も彼の曲ですから、ベック・ファンにとっても必携盤でしょうに。

レオン・ラッセルと一緒にツアーしたときの手記なんかも入手しましたが、後半はレシピ集だったりするので、誰にでもおススメできる本ではありませんが、時々取り出して眺めている分には面白い本です。その辺の人脈等を考えると、シェルター所属のフレディ・キングが「ゴーイング・ダウン」をやっているのも納得できますし、レオンと一緒の動画ではキャシー・マクドナルドが歌っていたり、この人の周辺には面白いネタがゴロゴロ転がっているので、ラジオ番組等で語る小ネタの宝庫と言える人です。

しかし、何が違うんでしょうね。ジェフ・ベックがもの凄く素直にギターを弾いているような印象になってしまうんですけど、ではドン・ニックスが素直ではないかというと特別そうでもないわけで、リズムとか間の取り方なんですかね。絶妙に腰が強いベース・ラインと、妙に曲とマッチした声質がなんとも魅力的です。結局こういったテイストを求めて、スワンプ系あたりの音源を彷徨っていらっしゃる方、多いんじゃないですかね。もちろん私もそうなんですけどね。





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