7インチ盤専門店雑記177「キャロル・キングのイッツ・トゥ・レイトはどう聴くか」
ヘッダー写真の「イッツ・トゥ・レイト」の7インチ盤、ご存知でしょうか?1984年の映画「ファンダンゴ」のサントラからシングル・カットされたものです。B面が「君の友だち」でして、この2曲をどうしてもアナログで聴きたいと思ったとき、最もお安く入手できる盤かと思います。ただ、もの凄くレアですけどね。ひょっとしたらオリジナルの7インチ・シングルよりもレアかも知れません。…でもお安いですけどね。
オリジナル7インチは「心の炎も消え」という邦題がついておりました。国内盤LPは「心の炎も消え」しか書いてないんですけど、7インチ・シングルは「イッツ・トゥ・レイト(心の炎も消え)」になっているんですよね。
ちなみに、大名盤「つづれおり Tapestry」は捨て曲なしで全曲好きですが、やはりTop4は「It's Too Late」「A Natural Woman」「Will You Love Me Tomorrow」「You've Got A Friend」なんでしょうか?「So Far Away」や「I Feel The Earth Move」も大好きなので捨てがたいですねぇ。「つづれおり」からカットされた4曲入りEP盤は上記4曲なんですけどね。
如何せん「つづれおり」は売れ続けて、1971年と1972年のアルバム・チャートで1位というもの凄い記録を達成しておりますから、おかしなことになります。次のアルバム「ミュージック」がリリースされても「つづれおり」が売れ続けていますから、両方のアルバムからピックアップした4曲入りEP盤も出てしまいます。こちらは「It's Too Late」「Sweet Seasons」「You've Got A Friend」「Brother, Brother」という選曲です。ジャケットは「ミュージック」のものですけどね。そして邦題が面白くて「It's Too Late」は両方の盤とも「イッツ・トゥ・レイト」になってしまいます。「You've Got A Friend」は、LPでは「友」、最初のEPも「友」、お次のEPでは「ユー・ガッタ・フレンド<君の友だち>」となってしまいます。「ヴ」抜きですね。
LPでは国内盤オリジナルは帯が「つずれおり」のミスをやらかしているヤツです。ゲートフォールドの中もミスだらけです。急がせたんですかね?紙質が毛羽立ってくるヤツなので、丁寧に扱わないといけません。
再発盤も各種ありまして、バーニー・グランドマンがリマスターした45回転180g盤が相当いい音で鳴ります。元々かなり高音質なので、高音質盤を買っても違いが分かりますかね?余分におカネを支払うことが無意味な盤です。
猛烈なお値段になっておりますMoFi盤、当然ながらいい音ですが、お値段ほどの価値がありますか…。ちなみにウチの売りボックスには16,000円の値札がついた未開封盤がずっとおります。「こういうのもあるんやで~」という見本みたいな立ち位置の盤として置いてあります。写真の盤はBGM用棚にある別物です。
50周年記念盤とかもありますね。まあ元々音がいいと言われているんですから、周年記念盤は影が薄いですね。個人的には7インチ・シングルでも集めた方が愛着が湧きそうな気がしております。…結局どれで聴いてもいい音なんです。いろいろな楽しみ方ができますよ、というだけですね。
そういう意味で、ヘッダー写真のファンダンゴ盤、おススメなんですけどね。ぼやぼやニャンコのジャケットじゃないと嫌なんですかね。ちなみに、「ファンダンゴ」からはエルトン・ジョンの「Saturday Night's Alright (For Fighting)」もシングル・カットされています。こちらも邦題が「土曜の夜は僕の生きがい」から「土曜の夜はファンダンゴ」に変えられています。…やめときゃいいのに。
映画「ファンダンゴ」、ケビン・コスナーとか出てますけど、ただのバカ騒ぎ映画でして、劇場で観終わったときの脱力感は忘れられません。これらの7インチ盤、キャロル・キングの方はEpicから、エルトン・ジョンの方はCanyon Internationalからリリースされておりまして、権利譲渡とかなんでしょうけど、オリジナルとも違うし、やはりコレクターズ・アイテムにはなり得ないブツなんですかね…。
…やっぱり、アナログで聴くべき曲ですけどね。アナログならどれでもいいかもですね…。
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