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7インチ盤専門店雑記573=備忘録的サブカル近現代史考 017:ソノラマ

音の出る雑誌「ソノラマ」、フランスのものだったんですね。これまで朝日ソノラマしか見たことがなかったので、本家にお目にかかるとは想像もしておりませんでした。朝日ソノラマの歴史を見ると、1959年に朝日新聞の関連会社朝日ソノプレスとして創業、フランス・ソノプレス社と提携していたとあります。朝日ソノラマは1960年の創刊ですが、Wikipediaには1966年に創刊とあります。ひどい間違いですね。ともあれ、手元に東京オリンピックを特集したものがありまして、これが1964年12月発売の号なんです。最後のページに1960年の創刊号から1964年11月号までの主な内容が掲載されておりますから、明らかにおかしいですね。

昨日ランチタイムにいらっしゃったお客様が「父の遺品なんですが、もらってくれませんか」とおっしゃって、ヘッダー写真のものをご寄贈いただきました。えー、併せてマイルスとジャズ・メッセンジャーズ・ウィズ・モンクの7インチ盤もいただきました。申し訳ないのでランチとコーヒーをサービスさせていただきましたけど、そんなものでよかろうはずもない、文化財級の貴重なものでしょう…。しかも状態がいいのなんの…。加えて私が生まれた年のものではありませんか…。一応集めているんです。自分が生まれた頃のカルチャーとか知りたくて、スヰング・ジャーナルも1960年のものは買い集めました。64年という歳月から考えると、経年劣化はほぼありません。

それにしても、この1960年の第23号、やたらとオシャレなんですよ。どのページも、デザイン的に惹かれます。何か知らんけど、エスプリと言うんですか、おフランスの香りが立ち上っております。日本国内で販売されたものですかね?フランスで購入してきたものですかね?値札とかがないので、現地調達ですかね…。

モノの価値を金額でしか評価できないのも悲しいと思いますが、そういった感覚を遥か上空から笑い捨てる代物とでも申しましょうか…、いやはや、凄いのがきましたねぇ…。「価値の分かる方にもらっていただきたい」とおっしゃってましたが、そりゃ価値は分かりますとも…。骨董品店に持ち込むのではなく、博物館に寄贈した方がよかったのでは…などと考えなくもないですが、ウチみたいなお店に置いておいて、手にとって見られる方がいいという気もしますね。よくぞいらっしゃいました。

どうしましょうって売るわけにも行きませんから、とりあえず大切に保管しておきましょう。お店にいらっしゃる好事家と共有してから、イベントでも何でもいいので、何か活用して少しでも多くの方の目に触れるようにしたいものです。

途中5枚のソノシートが挟み込まれていますが、丸くないんです。全ページ通しで小穴が空いているので、このままターンテーブルに乗せられるわけですね。表紙のブリジット・バルドー、キレイな人ですね。…こう眺めていると、各ページの写真も含め、中心の小穴が人の顔にこないようにレイアウトしてあるようなのですが、当時のデザイナーさんの腕の見せどころなのでしょうか。

音も聴いてみたいものですが、傷めないようにしないといけませんよね。

…いやあ、ビックリした。

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