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7インチ盤専門店雑記455「12インチ・シングルの愉悦:その他の高音質盤」
昨日はお店の9周年だったのですが、いきなり結構な雪のおかげで、ガラッガラに空いておりました。それでも某メディアがレコードの撮影をするご予約が入っていたので、貸切り状態でマッタリやっておりました。9年前の2月5日も霙まじりの寒い日だったのを思い出し、一人で懐かしい気分に浸っておりました。普段から昔の音楽ばかりネタにして文章を書いておりますから、脳の記憶野は常に活性化している人間なんですけどね…。
さて、もう少しだけ、12インチ・シングルについて触れてみようかと思います。1980年代後半から90年代前半がボリューム・ゾーンでしょうか。12インチ・シングルをリリースしてくれたこの時期のアーティストには感謝です。正直なところ、Dance Mixみたいなものにはあまり興味がないのですが、それでもディスコ需要でExtended Versionが出始めたことがことの始まりでしょうから、やはり感謝ですねぇ…。
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私がイチバン早くに12インチ盤を意識したのは、1978年のドゥービー・ブラザーズ「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」でしょうか。7インチ・シングルの3分41秒に対して、12インチ盤は5分31秒あります。DISCO、DISCOと書かれた汎用ジャケットに入っておりました。
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ただしこの盤、Side2の「Don't Stop To Watch The Wheels」は引き伸ばしてない上に、外周に寄せて溝が刻まれております。オーディオ趣味的にはこの部分も気になる盤です。
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音質面から気になるアーティストの一人、リッキー・リー・ジョーンズもこんなのがありますけど、あまり面白い盤ではありませんね。せめてジャケットは欲しいですねぇ。
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80s的な佇まいでプレスリー・カヴァーを聴かせたコリー・ハートは内周の無音部分にエッチングが入っておりました。なんとなく針が傷みそうな気がして、あまり聴いておりませんが、好きな曲、好きな盤です。
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オーディオ趣味的にはヒゲオヤジどももアリでしょう。バスドラもギターも凄い音圧です。この盤はプレミアがついて一時凄いことになっておりました。もう落ち着きましたかねぇ?2万円を遥かに超えておりましたからねぇ…。
一方80sを代表する拘り屋はピーター・ゲイブリエルでしょうか。大ヒット・アルバム「So」に収録されている人気曲は4つともリリースされています。…さすがです。
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この人の場合、映像が高評価ですが、この辺の音を聴く限り、音にも相当拘ったなと思います。もう完璧でしょう。デザイン的な面も含め、高く評価している盤です。
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まあそれでも爆音で鳴らして気持ちがいいのはメタリカに尽きます。「Enter Sandman」も「Sad But True」も文句なし、凄い鳴りです。12インチ盤の旨みをすべて生かし切っております。時代感覚なんぞどうでもよくなる盤です。意図的にボリュームを上げすぎて「ヒャッハー」となるカ・イ・カ・ン度は史上最高でしょう…。ただAB面で回転数が違うのはやめて欲しいです。よく間違えます。
ま、そんなわけで、キリがないのでこの辺でやめときます。ノラ・ジョーンズやマルーン5といったアーティストの12インチ盤もありますが、別の機会に。