7インチ盤専門店雑記873「僕の歌は君の歌のギターは…」
2017年にリリースされたエルトン・ジョンのベスト盤「Diamonds」が、7年の時を経て英国内でNo.1になったとか。めでたいとは思いますが、何で今?何か理由があるんですかねぇ?
さてヘッダー写真は、1985年にリリースされたエルトン・ジョンの初期音源を集めたベスト盤「Your Songs」です。何でこの時期にリリースされたの?という疑問もありますが、一通り大ヒットを連発した過去を知っていれば、何とも中途半端な選曲が不可思議です。何かのルールをもって選ばれた曲なんですかねぇ。単に初期音源というのであれば、「ボーダー・ソング」が入ってないのがもの凄く不満なんですよねぇ…。B面のアルバム未収録「Bad Side Of The Moon」も収録されていませんから、初期のシングルAB面曲というわけでもなさそうです。…だって「僕の歌は君の歌 Your Song」とのカップリング曲だった「パイロットにつれていって Take Me To The Pilot」は入っているんですよねぇ…。この邦題はちょいと惜しい…。まあこの曲、ファンには凄く人気のある曲なんですけどねぇ…。
「僕の歌は君の歌 Your Song」は自分の人生の中で多く聴いた曲のTop10に入るかなというほど聴いた曲です。ただ少し聴き過ぎたかなという感覚もあり、下町音楽夜話の第999本目でご紹介したマイ・ベスト100曲には入れてありますが、100曲中の上位ではないような気もします。
「僕の歌は君の歌」が収録されたセカンド・アルバム「Elton John」はやはり猛烈な回数聴いたハズですが、今更に新たな発見があって、驚いたというか情けない気分になっております。このアルバム、裏ジャケには7名の人間が立っており、アタマの上に名前が記されております。エルトン・ジョンもバーニー・トウピンも若いです。
何はともあれ、ここにはこの当時のバンド・メンバーが写っていると勘違いしておりましてね。考えてみれば、作詞のバーニー・トウピンもいれば、オーケストレーションのポール・バックマスターもいますね。…そして、Diana Lewisって誰?となって、あれ~となって気がついたのでした。よくよくクレジットを見たことがないんです…。
えー、「僕の歌は君の歌」のピアノは…エルトン・ジョンですよね。ギターは、…アコースティック・ギターがFrank Clark、ギターがColin Green、12弦ギターがClive Hicksとなっておりますな…。全然知らない人たちやん…。ドラムスはBarry Morgan、ダブル・ベースがDave Richmond…やっと知っている人が出てきた。この人はマンフレッド・マンのところにいた人ですね。セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの「ジュテーム」で弾いていたり、オリビア・ニュートン・ジョンの「イフ・ノット・フォー・ユー」も彼、実は面白いところで弾いているのですが、あまり有名音源は多くないですかね。
もう少し後の、ヒット連発時期のエルトン・バンド、デイヴィ・ジョンストン、ディー・マーレイ、ナイジェル・オルソンあたりのメンツではないということは憶えていたのですが、意外や意外、…しかし誰ですかね、この人たち。おっと、Diana Lewisはシンセサイザー奏者でした。
ディー・マーレイとナイジェル・オルソンは、スペンサー・デイヴィス・グループからスティーヴ・ウィンウッドの後任エディ・ハーディンやピート・ヨークが抜けて、いよいよやばいかとなった時に加わったものの、あっという間に引っこ抜かれて、結局一旦活動停止に追い込んでしまった原因だったりしますからね。結構エルトン・ジョン界隈もいろいろありますね。「Madman Across The Water」にリック・ウェイクマンが参加していたり、「Honky Chateau」にはジャン=リュック・ポンティがいたり、案外面白いですよ。