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7インチ盤専門店雑記487「Big Beat」

80sイベントの準備をしていると、どうしても強烈なインパクトのドラムスばかり耳にしているような気がしております。何はともあれ、絶対に外せないロバート・パーマーです。ペプシ・コーラの印象的なCMも忘れられません。ダンディな装いの彼が時代の象徴的に記憶に残っているのは私だけではありますまい。そもそもネクタイ姿で、強烈なビッグ・ビートの曲を薄ら笑いで歌っているわけですから、ただただインパクト特大です。

衣装は白と黒のみ、楽器も白のみ、バックの女性たちの口紅の赤がまるでポイント・カラーのようでステキなMVでした。弾いてないと言う前に、コードも繋がってない緩いヴィデオなんですが、妙にカッコイイと思いましたね。この曲は文句なし当確なのですが、じゃあパワー・ステージョンはどうすっぺとなるわけで、「サム・ライク・イット・ホット」もかけたいではないですか。時間に余裕があれば「ゲット・イット・オン」だってかけたいくらいです。悩ましいところです。ちょいがけで紹介だけですかね…。勿体ないですかね、…「マイケル、何かける?」と並んで、最も悩ましいところです。

時代を俯瞰すると、あちこちでフィル・コリンズのアタックの強いドラムスが鳴っていたわけですが、ゲート・リバーヴがかかった不自然な音も、DX7的なきらびやかな音と相俟って、80sサウンドの肝のような存在でした。

その一方で、ストーリーがあるような、ないような、それでいてインパクトだけは特大だったひげオヤジどものMVも忘れられません。スリー・ピースだけに個々の音がしっかり聴き取れることが、実はあの時代の音だったりします。アナログ・オーディオ的には絶頂期を迎え、盤は薄くなってしまいましたが、随分高音質でよく鳴る盤がいっぱいあります。ZZ TOPはいずれもよく鳴ります。…かけたいですよね、…時代の象徴ではありますよね。でもこの時代のZZ Topは「観るもの」かもしれません。

どうして、こうも強烈なビートを前面に出す曲が多かったんでしょうね?R&B的でダンサブルな曲も増える中、インパクト強すぎなドラムスが多いわけです。フィル・コリンズの「イン・ジ・エアー・トゥナイト」のドラムスが入ってくる瞬間のインパクトも大きかったですよね。多くのミュージシャンが、「あのドラムスにやられた」といった証言をしている動画があって、日本ではそれほどのヒットではなかった一方で、英国で他のミュージシャンには大きな影響を与えてしまったことが語られるわけです。

ただベストヒットU.S.A.などで知り得る限りでは、端的にそのことを意識して可視化していたのはホール&オーツでした。インパクトではロバート・パーマーやZZ Topの方が大きかったかもしれませんが、時代を見据えた目のつけどころでは、ホール&オーツがダントツという気もします。やり過ぎと思うまで振り切ることも、80sという時代の空気感としてはアリなのかもしれません。いやはや、さすがです。





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