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7インチ盤専門店雑記664「金字塔」

CSNYの日本独自企画のベスト盤「金字塔 All Together」です。ジャケットは背も含めて、何処にも「All Together」とは書いてなくて、盤のレーベルには何処にも「金字塔」とは書いてないんですけど、何だか準備段階でのバタバタが見えるような…。それにしてもよくこれをアトランティックが許可しましたね。アーティストから許可が出るとは思えないんですけどねぇ。まあ、選曲に関しては満足できるというか、個人的にはこれで十分という気がしてしまうのですが、アーティストにしてみれば、いいわけないですよね。

Side 1は各人のソロから人気曲が選出されております。まあ「Love The One You're With」はCSNのライヴでもやってましたからいいんでしょうけどね。とにかくY君の曲はないわけですよ。1971年のリリースですから、その時点でのベスト選曲だということなんですかね。その後ソロで大ヒットが出るのはY君なんですけどね。

Side 2はCSNとCSNYの人気曲ですね。ただここの選曲に関して、好みの問題で良し悪しを言っていいものですかね。実に無難な選曲でよろしいかもと思いますが、反対意見は多そうですね。何と申しましょうか、「Ohio」がアルバム未収録ですから、何とかこういうかたちで世に出したいという考えがワーナー・パイオニアにあったとしてもですね、随分強引なことをしたなぁと思うわけです。

それから、ニール・ヤングのファンが納得するわけないよなぁという気もします。アルバムでいくと「After The Gold Rush」まではリリースされているタイミングですからね。シングル的には「Down By The River」や「Cinnamon Girl」が入ってないわけですし…。長いか…。「「Ohio」入れたから許して」というわけにはいかんでしょ…。

さらに個人的な都合を申しますと、7インチ盤の世界では「Ohio」と「Love The One You're With」は猛烈な高額盤なんです。こういうところでサッと取り出せて聴けるのは嬉しいわけです。45回転で聴きたいというのはやまやまとしても、かたやアルバム未収録、スティーヴン・スティルスのファースト・ソロは人気盤のわりに玉数が多くないのか、中古盤市場ではやはり高値維持しておりますからね。非常に有り難いことは有り難いわけです。

ただねぇ、繰り返しになりますが、アーティスト側の心情や、コアなファンに言わせれば、この選曲はないでしょうという話です。そこがひっかかる盤ですが、一応公式にAtlantic/Warner Pioneerからリリースされた盤ですから、海賊盤的なものとも違いますし、だいいち、このジャケットのテイストは意外によくて、紙質も含めよくできていると思います。

まあ、コアなファンではない私は、この2曲が入っているだけで大満足なんですけどね。

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