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続・下町音楽夜話 0334「マイ・ベスト100枚」(通算1000号=最終回)

さて、千本目、最終回である。記念に現時点でのマイ・ベスト100枚を考えてみた。今回は順位もつけてみた。最近はアルバム単位で聴かないと書いた手前、どうしようかと悩んだが、自分自身が今現在どのアルバムが好きかということに興味を持ってしまったのである。店と自宅で合計5000枚程度のアルバムが手元にあるわけで、少し眺めていただけでも、「これは当確だな」「このアーティストはどれにするか悩むな」「ジャズも含めるべきか否か」などということが頭の中をぐるぐると巡ってしまった。

月曜日に砂町文化センターの「レコードの魅力」講座のMTVの回があったために、少し意識が1980年代に引っ張られたかもしれないが、それでもじっくりと考えて、水曜日の夜に吐き出してみた。エクセルに打ち込んでみたのだが、やはりあっさり200枚超のリストができてしまった。そこから削っていく作業になったのだが、いやはや厳しい選択をすることになった。削った100枚超も、少し時間が経てばやはり上位100枚に入選するかもしれないものばかりだ。クラシックも3枚ほど選んでいたが、今回は上位100枚には入らなかった。ジャズはかなりの枚数が入り込んでいる。

今回もビートルズは1枚も選ばなかった。気分が変われば数枚入ってきてもおかしくはないのだが、自分自身を形成してきた他のアルバムと比べ、良質であり好きであっても今回選ぶべきではないと考えた。自分は21世紀になるまでビートルズを避けてきた人間なのである。カミサンが「1」を買ってきて初めてちゃんと聴いたのである。最近は時々聴くとはいえ、やはりここに掲げた100枚の方が優先するのである。

上位10枚はどれが1位でもおかしくない。とくに上位5枚は日替わりでこれがベストだなと思うことがしょっちゅうあるアルバムである。お客さんに「何が一番好きか?」と訊かれたとき、「タペストリー」と答えることは多いが、今の気分ではこうなってしまう。やはりどれも大好きなアルバムだ。

凡そ50年、洋楽を中心に音楽好きで通してきたが、ここ19年は音楽夜話を書くために聴くということも多かった。またGINGER.TOKYOという店を始めて、多くのお客さんと接し、色々と気分ではないものも含めて聴く日々となり、自分の好きなものが明確になっていった気もする。グラム・ロックなどはあまり聴かなくなっていたが、最近になって、昔好きだったものを聴くことが多くなり、やはり好きなんだなと再認識しているのである。

自分自身の終活として、100枚を残すことができるかというと、現時点ではとても絞り込めるものではない。1000枚までなら何とか絞れそうだが、それすらかなり厳しい選択になりそうだ。結局のところ、ただの好き者なのである。死ぬまで音楽漬けなのだろう。何とも幸せなヤツだ。

とりあえずの目標としていた1000本の音楽夜話を書き終えたわけだが、まだまだアウトプットを終わらせるつもりはない。しばらくトークイベントはできそうにないが、様々なかたちで発信していくことになるだろう。noteでは「清澄白河カフェのキッチンから見る風景」を不定期でアップロードしていくことになると思う。なんだかんだ言ったところで、音楽について書くのが好きなのである。お時間があれば、どうぞお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

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