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7インチ盤専門店雑記512「冬将軍/スイングタウン」

1977年リリースの10thアルバム「Book Of Dreams」は前作「Fly Like An Eagle」に続き、大ヒットでした。前作からは「Take The Money And Run」「Rock'n Me」「Fly Like An Eagle」がシングル・カットされ、11位、1位、2位と景気よく売れました。「Book Of Dreams」からは「Jet Airliner」「Jungle Love」「Swingtown」がシングル、8位、23位、17位まで行きます。前作ほどではないとしても、大ヒット・アルバムと言ってよいでしょう。

ここで意外だったのが、「Jungle Love」が随分売れたと思っていたのですが、「Swingtown」の方が売れているんですね。加えて何が面白いって、この人の場合、時々英国でも売れるんです。大ヒット「The Joker」は英米でナンバーワンを獲得しています。でも英国では「Fly Like An Eagle」も「Jet Airliner」も「Jungle Love」もチャートインしておりません。ところが「Swingtown」は53位という大したヒットではないにせよ、チャートインしているんです。…これ、英国でウケる曲ですかね?

しかもヘッダー写真をご覧になってお分かりのように、日本ではA面B面を入れ替えてリリースされます。アメリカでB面だった「冬将軍 Winter Time」をA面に持ってきたわけです。…何故?まったくその理由が理解できません。東芝EMIの担当者さん、「冬将軍」の方が売れると思いましたかね?加えて、どうもプレス・ミスがあります。B面に回された「Swingtown」の終盤、音がヨレる箇所があります。じっくり溝を眺めても盤質の問題ではなさそうです。…何なんですかね、このシングル。

まあ、世の中的にはどうでもいいことかもしれませんが、スティーヴ・ミラー・バンドが大好きで、7インチ盤専門店をやっている私としては、何とも許せない1枚なんです。しかもコレ、妙に玉数が少なくて激レア盤なんです。ヒット・アルバムからの3rdシングル、いっぱいプレスしても売れるとは思えませんよね。…でもねぇ、これはないっしょ。謳い文句には「最新ヒット」とありますけど、B面の話ですよね。何かその辺も正確さを欠くし、今更ながらに腹が立つ一枚なんですけど…。

そんなワケでということでもありませんが、中古盤市場では、英国盤「Swingtown」をよく見かけます。音質良好です。国内盤はレアですけど、見つけても買わない方がいいかも、というお話しでした。

とにかく初期のシングルの少なさも考えると、売り方に注文つける人なんでしょうかね。LPも初期の盤は売れてないので、「A Capitol Re-Issue」が刷り込まれた再発盤がいいところです。…でも、再発でも何でもいいので、しっかり集めておきたいアーティストではあります。

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