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7インチ盤専門店雑記138「ヘイ・ジュード」

ウィルソン・ピケットのビートルズ・カヴァーです。1969年2月リリースですが、録音は1968年11月とのこと。ビートルズの「ヘイ・ジュード」は1968年8月にシングルのみのリリースですから、結構早いです。昔は最新ヒット曲をカヴァーすることも多かったわけで、オリジナルと同年リリースもあることが面白いです。

この曲も昔はよく語られた面白い背景を持っておりますが、2020年代の今となっては忘れ去られているかもしれませんから、備忘録的に書き記しておきます。ラジオ番組の「意外なゲスト・意外なコラボ」という回がありまして、評価は割れるのですが、またやりたいなと思い、いろいろ記憶を探っているところなんです。

これ、ギターがデュアン・オールマンなんですね。フェイム・スタジオで働き始めた頃のことです。ウィルソン・ピケットに「これいいから歌ってみぃ」と薦めたのも彼なんですと。最初は嫌がったらしいんですが、ギターを弾いて聴かせたら乗り気になったとかで、結局アルバム・タイトルにまでしてしまうわけですね。

この曲ねぇ、やっぱりゴスペル・テイストがありますからね。後半盛り上がりますし、いかにもウィルソン・ピケットに合いそうですよね。ま、後半部分、ありませんけど。その辺、デュアン・オールマン、さすがにいいセンスだなと思います。

一方エリック・クラプトンはこの曲を聴いて「このギタリスト、何者?」となったそうで、あちこち問い合わせてデュアン・オールマンを見つけ出し、デレク&ザ・ドミノスのセッションに呼び寄せたという逸話もありまして、ポピュラー音楽史上、なかなかに貴重な一曲というわけです。

デュアン・オールマンって若くして事故死してますから、すべての音源が貴重です。その中でも面白い一曲かと思います。





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