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7インチ盤専門店雑記035「Doggin' Around」

「Doggin' Around」Zoot Sims (1960)

輸入盤です。…ズートです。いまだに知り合いでズートが好きな人間に出会っていないのですが、日本ではあまり人気がないんですかね?ズート・シムズが好きだと言うと、返事がいただけないというか、好きとか嫌いとか言う前に「聴いたことない」というケースが多いようです。

私は、フィービー・スノウのアルバムでズートを知ることになるのですが、そこで得た「きっちり吹ききる人」という認識は間違っていなかったようで、その後いっぱい聴きましたけど、今もその印象は変わりません。彼の場合、ワン・ホーンものが特に評判がいいのですが、結局アンサンブルではなく、好きに吹かせた方がいいんでしょう。実に軽快にスウィングしております。

この盤、B面は「There'll Be Some Changes Made」でして、AB面ともデイヴ・マッケンナのピアノにジョージ・タッカーのベース、ダニー・リッチモンドのドラムスというカルテットの演奏です。要するに1960年の名盤「Down Home」からのシングルカットと考えていいのでしょう。

今でこそネットでちょいと調べて…ということも簡単にできますが、ジャケなし、ライナーなしだと、レーベル記載の情報しかないわけで、音楽を楽しむのも知識が必要だったのかなと思います。結局、IT化でアナログが駆逐されるわけではなく、聴き方が変わっただけということなんでしょうかね。

30年前はメタルでヘッドバンギングしていた方のお父さんも、60年前はズートでヘッドバンギングしていたんじゃないかな、などと想像してニヤッとしてしまうんですけど、ズート、気持ちいいです。

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