7インチ盤専門店雑記514「産業ロック:Foreignerは英?米?」
フォリナーはバンド名の由来が伝える通り英米混成バンドでしたから、産業ロックのイベントをアメリカ1回イギリス1回でやるとしたらどちらでやるか…などと考えておりました。…前日になって何考えているんでしょうね。要はボストン、カンサス、スティクス、ジャーニーという代表的な産業ロックと言われたアーティストが米国ですから、そこに時間を割くためにも、フォリナーを英国まわしにしたいわけです。ELO、スーパートランプ、ジョン・ウェットン周辺といった英国勢に加えてフォリナーといったプレイリストで考えると、…違和感がありますね、…何でか。
まあ、こんなイベントでもやらない限り真剣に考えることでもないのでしょうが、やはりアメリカ市場を意識してアメリカで売れる工夫をしたということが産業ロックと言われる所以なのかとも思うわけです。そうすると、フォリナーはやはりアメリカンな音なんですかね?前歴等から考えて、スプーキー・トゥースやブラック・シープ、キング・クリムゾンなどといった音楽から、英国色を薄めて湿気をとって、曲構成をシンプルかつコンパクトにして、ノリをよくしたところがフォリナーのいきなり大ヒット・デビューなんでしょうからね。
まあ本来はアメリカ編でかけたいところですが、こういったことをトークのネタにするのであれば、その辺を意識して聴いていただくことで、英米の違いやら米国市場向けのサウンド・メイキングなどといったことも感じられて面白いのかもしれません。
そう考えながら見ていくと、ジャケット・デザインも面白かったりします。これまであまり意識したことがなかったのですが、ファースト・アルバムのジャケットは何故線路?という部分で鉄道発祥の国である英国から米国市場に乗り込んでいくわけで、…なるほどと思うわけです。
セカンド・アルバムは国によって色味やレイアウトなど、デザインを細かく変えているわけで、マーケティングの細かさが見てとれます。ひょっとしてフォリナーって産業ロックの典型的なバンドなのかもしれませんね。
…この辺のセンスはよくわかりませんな。
4枚目はよくよく見ると、微妙に文字サイズが違っていたりします。何かそこに理由があるのか…。
以前にもご紹介しましたが、7インチ盤のスリーヴは手抜き加減も含め、結構笑えます。
これも面白いジャケットとは言い難いのですが、…正常な方には「F」の文字が見えるらしいです。
…時期からして案外貴重なアナログ盤ですね。個人的には好きなジャケットです。中身の音楽とどれだけリンクしているかは別として、物語が見えてくるような写真が好きです。ドアノーやノーマン・シーフの写真が使われたジャケットは、やはり飾りたくなります。ちなみにこれはRoger Corbeauという方の作品です。
ミック・ジョーンズはヴァン・ヘイレンやビリー・ジョエルのプロデューサーとしての仕事の方が目を引きますが、ルー・グラムのソロも結構売れているんですよね。実績はもの凄い人たちです。
最近はあまり聴く機会のない辺りかもしれませんが、やはり元々は大好きでリアルタイムには随分聴いた連中です。語れと言われれば3時間でも6時間でも足りません。…タイムキープがタイヘンそうですね。
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