7インチ盤専門店雑記513「テクノ~戸川純~現代クラシック」
日曜日は諸用で成田市内をクルマで走り回っていたのですが、BGMでJ-WAVEを流していたところ、Tokio Hot100をやっておりました。そこでまさかまさかという名前が出てきまして、いきなり壊れたかのように饒舌に助手席のカミサンに解説を始めてしまいました。曲が終わったところで、クリス・ペプラーの代役の誰かさんが、私と同じことを言っておりまして、ちょいと面白かったんですけどね。
そのアーティストはジェフ・ミルズ×戸川純ということで、カミサンの方はウォシュレットの戸川純が懐かしいということだったんですけど、この期に及んでジェフ・ミルズの名前を耳にするとは…。デトロイト・テクノのジェフ・ミルズですよ。
いっときデトロイト・テクノ第二世代の代表的存在、カール・クレイグにハマっておりました。そんなわけで、当然のように初期デトロイト、ミニマルテクノのジェフ・ミルズにもリーチしました。節操なく、ベルリンだのデトロイトだのと聴き漁りました。大元はNYのエイトボールあたりなんですけど、フツーにロックやらジャズやらブルースやらも聴いていて、その裏ではデトロイト・テクノからクラシックまで手を広げており、さすがにそのあたりの情報交換ができる人間は周囲におらず、孤独かつ実に密やかに楽しんでおりました。
その頃聴いていたCDの大半は処分してしまったのですが、好きで手放せなかったものがまだ数枚、寝室にありました。何はなくとも「トレゾアⅠ&II」ですよ。ベルリン発ハード・エッジ・テクノの牙城、トレゾアのコンピレーションにはジェフ・ミルズの音源も含まれておりました。
そして、欧州クラシック界の貴公子、やんちゃなフランチェスコ・トリスターノ・シュリメ君が2008年に「ノット・フォー・ピアノ」という問題作をリリースしました。デリック・メイやジェフ・ミルズの楽曲をピアノで再構築するという、実にわけの分からないものでしたが、これにもハマりましてね。元来の何でも屋がもう脳みそフル稼働で、クラシックまで手を広げた時期があったんです。アリス=沙良・オットさんとコラボしたり、もうしばらくはタイヘンでした。どハマリでしたね。
興味はドイッチェ・グラモフォンのイエロー・レーベルにまで行きまして、100枚組CDボックスを購入して、iPodに突っ込んで持ち歩き、一からクラシックの勉強をし直しておりました。2008年〜2009年、実はあまりロックもジャズも聴いてないんです。…気になる新譜は買っておきましたけどね。記録ではこの2年間でクラシックは300枚強のアルバムを購入し、ロックやジャズは100枚弱ですから、…ハマってましたね。数年後にはエレーヌ・グリモー関連とマルタ・アルゲリッチ関連だけ残して、若い人にあげちゃいましたけどね。存在すら忘れていたフランチェスコ・トリスターノ関連も残っておりました。
そんなわけで、ジェフ・ミルズ×戸川純を聴いて、アタマの中ではクラシック・ピアノが鳴っているという、実に説明しづらいことになっておりました。…でも、懐かしいなぁ。
一曲のあいだに、ここまでの流れをかいつまんで説明するとしたら、いきなり壊れたかのように饒舌にならざるを得なかったということは、…ご理解いただけますでしょうか。
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