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7インチ盤専門店雑記437「見失っていたCD (2)」

5年ほど見失っていたCDの話の続きです。お店のオープン当初はカフェのBGMはどうあるべきかということをかなり意識して選曲しておりました。そんなわけで7インチ盤専門店も兼ねている昨今と比べると、ジャズ寄りというかフュージョン寄りのセレクションが多かったと思います。フュージョンと言い切ってしまうのは少々語弊がありまして、例えばジョー・サンプルも「レインボウ・シーカ―」の頃の思い切りフュージョンしている盤ではなく、ニュー・オリンズ回帰したような音源あたりがよく流れておりました。快適に聞き流せるものより、一歩踏み込んだ辺りを意識して選び、お客様が「コレ何?誰?」となるよう、いろいろ工夫しておりました。その頃よく聴いたCDも少し出てきましてね…。

ジョー・サンプルのニュー・オリンズ回帰音源というと、デヴィッド・T・ウォーカーとやった「スイング・ストリート・カフェ」が定番でしょうが、これはしっかりアナログ盤もあって、今でも店でよく流しております。

もう一枚の「クレオール・ジョー・バンド」の方が、タイトルからして、こういった需要に応じたものかと思われます。東京JAZZでも観ましたが、晩年はジャズ・クルセイダース回帰も果たし、いい音源をリリースしてくれました。2013年のこのアルバムは大好きで、アナログが無いもので、店で流したくても流せないでいたんです。

ただ、これは全然フュージョンやらジャズっぽいものを想像していると足払いをくらいます。思い切りニュー・オリンズ・ファンクの、それも結構ハードな音です。ジョー・サンプルという名前からは想像できない音です。…格好良いですけどね。

アントニオ・サンチェスはパット・メセニー関連で知ったドラマーですが、映画「バードマン」のサントラもよかったですね。この盤もアナログが無いもので、ずいぶん聴いたCDです。ブラッド・メルドーやジョン・スコフィールドがクレジットされているあたりからも、いかにも自分が好きそうな盤です。ドラマーのリーダー・アルバムは何故こうも聴きやすいものが多いのでしょうね。これも「買ったはずなのに見当たらない、聴けない」という状態だったのはなかなか辛いものがありました。

トリオ・オブ・ドゥームのライヴ音源ですが、どういう経緯で集まったんでしょうね。ジョン・マクラフリンとジャコ・パストリアスとトニー・ウィリアムスという有名どころが名を連ねておりますが、メンツからもお分かりのように3人とも手数が多いこと…、呆れます。カフェのBGMには向きません。自分もついつい聴いてしまうので、仕込みのBGMにもなりません。…何でこれが一緒に置いてあったのかが謎と言いたくなる盤ですが、思うにコレが原因で作業が止まったのかもしれません。ダメですよね、カフェでこれ流しては…。


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