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7インチ盤専門店雑記799「Heart Like A Wheel」

個人の密やかな楽しみとしてディグしているのがスティーヴ・ミラー・バンドです。日本ではあまり人気がありませんし、私の周辺では誰も好きと言ってくれないので、一人寂しく遊んでおります。70年代には「The Joker」(1973)「Fly Like An Eagle」(1976)「Book Of Dreams」(1977)という特大ヒット・アルバム3連発があるにも関わらず、80年代は売れたり売れなかったり、浮き沈みが激しく、しかも情報が妙に少ないわけです。以前にも書きましたが、政府への批判とか結構露骨にする人なので、ウェブの一部情報は消されているように思えます。

今、7インチ盤の売りボックスにはこの辺が入っておりましたが、何か減っているので誰か買って行きましたかね?「アブラカダブラ」は100円ボックスにも入っていますしね…。先般、某常連さんがこの辺の盤を見て、「日本でもシングル・カットされているんだ」と驚かれていましたけど、…まあ、そんな扱いのアーティストです。

ヘッダー写真は、1981年のアルバム「Circle Of Love」からのファースト・シングル「ハートは燃えている Heart Like A Wheel」です。手元に2枚ありまして、一枚は見本盤、もう一枚は中古盤市場ではあまり見かけないNHKの放出盤です。

「Circle Of Love」は翌年リリースの自作「アブラカダブラ」がまた大ヒットしますから、谷間の売れなかった地味な一枚ですが、アルバム・チャートでは26位までは行っております。一応ゴールド・ディスクです。このアルバム、B面が長尺曲「Macho City」一曲ですから、全5曲しかありません。そのせいか、ファースト・シングル「ハートは燃えている」のB面は「Book Of Dreams」収録の「トゥルー・ファイン・ラヴ」です。私はこの曲が大好きなので、7インチで聴けることが非常に嬉しいわけです。まあ5曲しかないので…という理由もあったかと思いますが、未発表曲とかは無いのでしょうかね?

セカンド・シングルはタイトル・チューンです。面白いのが英国ではB面一曲の「Macho City」がシングルなんです。見たことがないので詳しくはわかりませんが、エディットでしょうね。そもそも、この曲18分ヴァージョンと16分ヴァージョンが存在し、アナログとCDで別物が収録されていたりします。…わけわからんことします。

わけわからんついでに書きますが、1984年に「Italian X Rays」という、100位にも入らなかった失敗作があります。その収録曲「Bongo Bongo」というのがありまして、当然ながらレアです。12インチは入手しましたが、これが難物でして、ジャケットには「Extended Club Mix」と書かれておりますが、レーベルには「Born To Dance Mix」と書かれております。問題なのがB面でして、「Get On Home」という「Circle Of Love」収録曲が入っております。B面は過去のアルバムからというポリシーでもお持ちですかね…?そして、この盤のジャケットにはB面に何が入っているかという表記が全くありません。国ごとに変えたりしているんですかね…?

さて、この「Get On Home」、実はアーリー・アメリカンのフォーク・ソング「Cindy」だったりします。歌詞は微妙に変えてあります。「Cindy」には「Get on home, get on home...」という歌詞が出てきますね。あの有名なジョン・ロマックスが採録したという記録もある、ノース・カロライナ辺りの伝承曲でして、また何でこんな曲をやっているのか、さっぱり分かりません。やはりこの人はディグし甲斐があります。まだまだ調べ足りません。老後の楽しみの一つです。

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