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7インチ盤専門店雑記248「Dillards」

ディラーズの1972年にリリースされた名盤「ルーツ・アンド・ブランチズ」です。彼らの唯一チャートインした記録が残る最も売れた盤です。ブルーグラスやカントリー寄りのカントリー・ロックなどの楽しさをポピュラー・ミュージックの世界に紹介し続けたバンドということになっております。ルーツ・ロックの中でも地味な方で、なかなか日本では受け入れられる要素が見当たりません。

この盤のときはこんなメンツでした。
Rodney Dillard (Guitar, Dobro)
Billy Ray Latham (Guitar, Banjo)
Dean Webb (Mandolin)
Mitch Jayne (Double Bass)
Paul York (Drums)

その後、カントリー・ロックの世界で活躍した人々が意外なほど大勢出入りしているバンドです。ただDoug Dillardは既におりません。1968年に脱退してバーズのヨーロッパ・ツアーに参加し、その後はジーン・クラークと共にディラード&クラークを立ち上げる人ですが、…既におりません。ロドニー・ディラードはダグ・ディラードの5歳下の弟さんです。そう、ダグ・ディラードのいないディラーズのアルバムを聴いて喜ぶ日本人がいるのかというところなのですが、要はこういったルーツィな連中に何を求めているかなんですけどね。一応ディラード&クラークはバーニー・レドンが参加した音源等もあって、カントリー・ロックの黎明期の美味しいところと言えるのですが、さてディラーズはいかがなものか…。

とにかくあまりに売れていないんです。カントリー・ロックがお好きな方はディラーズの名前くらいは知っていても、アルバムを持っているかどうなのか…。気になってオークションなどを覗いてみたら、…出ていますね、少しは。まあ予想通り、珍屋あたりが出しているんですけど、お値段が安いのも高いのもグチャグチャ、相場が確立しておりませんな。

自分の場合、ラジオでカントリー・ロック関連の特集をやっているもので、何かないかとレコード・ラックを漁っているときに見つけて、「あったねぇ…、でも誰も知らんよねぇ」でスルーしていたんですけどね。気になって盤の状態などチェックしてみたら、まあキレイなこと。確かに2~3回しか針を通していないように思います。

思うんですけど、イーグルス関連ということで、ディラード&クラークあたりは当然のマスト・アイテムでしょうが、ダク・ディラードのいないディラーズは流石に対象外のような気がします。でも、フライング・ブリトーズのさきがけとも言えるわけですし、カントリー・ロックの歴史を語る上では案外重要なバンドなんでしょうね。

アメリカのテレビ番組で使われたとかいった情報は出てくるのですが、「だからどうした」なんですよね。日本でやってなければ懐かしくもないですよね。何だか底なし沼にハマるような気がして、この辺を境に「深掘りするのは止めとこう」と考えたことを思い出したりしているんですけどね。アメリカにはこの手のバンドが星の数ほどいるという認識もありましてね…。

あー、やめ、やめ…。危ないわ、この辺。

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