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7インチ盤専門店雑記867「全米No.1 堕ちた天使」

レコ屋あるあるネタです。一般的な音楽好きの方は、同じ曲のレコードを何枚も買いませんからね。レコ屋だけが気になることでしょう…。

1981年の全米No.1ヒット、J.ガイルズ・バンドの「堕ちた天使 Centerfold」です。7インチ盤のスリーヴ写真は同じものですが、全米No.1になると邦題が変わってしまいます。…ほぼ話題になりませんけどね。

before
after

デザイン的にもNo.1になってから邦題が変えられたことが見てとれますが、何でなんですかねぇ…?変える必要がありましたかねぇ…?

まあ「センターフォルド」という言いやすい単語一つの原題を持つ曲ですから、敢えて邦題をつける必要がなかったという気もします。80年代は徐々に無理な邦題はつけなくなりますが、やはりそういう動きが業界全体にありましたかねぇ…。

加えて手のひらスタンプのマークも消されております。1978年のアルバム・ジャケットのデザインですから、やめといた方がよろしいかもしれません。もし日本サイドで勝手に入れていたとしたら尚更ですけどね。こういうCI(Corporate Identity)のような部分に関する意識が高まるのはもう少し後でしたからねぇ。バブル経済と相まって、80年代後半から90年代、CIブームがやってきました。企業のロゴにとどまらず、87年頃から女子高の制服もセーラー服から今のようなデザインのものに変わって行きました。駅員さんの制服も変わりましたよね。

この曲に関しては、当然ながら「堕ちた天使」期の方が初期盤ですから、マトリクスも若いわけですよ。音も若いんです。どちらも結構な音圧で鳴りますが、やはり初期盤に拘っておいた方が良さそうです。どのみちそれほど高額になっているタイトルではありませんが、カセットテープのウォークマンがブレイクした時期ですし、何だか親和性が高かったようなイメージがあります。

…当然ながら状態の良い盤が豊富に出回っております。恐らく82年2月頃からスリーヴが変わったと思いますが、初期盤もそれなりにあります。自分の感覚ではドラムスが妙にリアリティを伴った鳴りなんです。スネアなんか本当に皮の反発と微振動まで感じられる鳴りです。

面白いというか不思議なんですけど、第二次ブリティッシュ・インベイジョンの時期なのに、この思い切りアメリカンな曲が英国でもヒットしたんです。J.ガイルズ・バンドの曲ではこれだけが英国でヒットしたわけで、何がそうさせましたかねぇ…。しょうもないMVがMTVでも頻繁に流れておりましたが、英国でウケるものでもありますまいに…。まあ歌詞もアメリカンですよねぇ…。グラビア雑誌のとじ込みに同級生の女の子が載ってて、びっくらこいて血の気が引いた…という内容ですからねぇ…。

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