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7インチ盤専門店雑記785「選曲の妙」

1964年リリースのクインシー・ジョーンズによるヘンリー・マンシーニ曲集「ミュージック・オブ・ヘンリー・マンシーニ」が手元にありまして、いつどこで入手したかはまったく記憶がありません。おそらくコロナ禍中に、オークションか何か、セットものに含まれていたのではないかと思われます。リリース年から考えると極上のコンディションではないでしょうか。

この盤に針を下ろすと、「!!!!!!」といった感じになります。如何せん一曲目が「Baby Elephant Walk」です。「コレ、何だっけ?」ですよ。1962年公開の映画「ハタリ?」のためにヘンリー・マンシーニが書いた曲ということですが、その映画は観てません。でもこの曲はよく知っておりますから、「コレ、何だっけ?」となるわけです。…コレ、みんなのうたとかでもやっていた「子象の行進」ですね。…クインシーさん、随分可愛い曲がお好きなんですね。

「ムーン・リヴァー」や「シャレード」など、映画音楽でも至高の名曲が並ぶヘンリー・マンシーニ曲集なんですよ。なんで「子象の行進」がA面の1曲目なんですかね…。個人的にはこういう一度聴いたら忘れられないメロディを持った曲は嫌いではないので構わないのですが、その他に大量の名曲があるヘンリー・マンシーニの曲をやるという時に、この選択肢があることが凄いですね。まさに選曲の妙、ひょっとしてもの凄く柔軟な感性の持ち主なんですかね?

先週末のイベント終了後、実は流してみたのですが参加者さんはどなたも反応しなかったんですけどねぇ…、ただ一人、キッチンで洗い物を手伝ってくれていたウチのカミさんだけが、「何を流しているんだ」と言わんばかりの表情で反応しておりました。あの人はこの辺の曲に関しては詳しいんです。

当のイベントでは、ここのところ毎回ご参加くださるK氏が、追悼ということでクインシー・ジョーンズがプロデュースしたヘレン・メリルの「ユード・ビー・ソー〜」をオススメしており、さすがの選曲に感謝の気持ちすら抱いておりました。しかもそこから繋げてもう一曲、クリフォード・ブラウン繋がりでアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの「クイックシルヴァー」をオススメしておりました。こちらもさすがです。アート・ブレイキーのバードランド、先日も一枚売れてしまいました。なかなか手元には居ない盤です。

毎度ご参加の i 氏は今年来日したアーティストに絞ったラインナップできまして、その中でジェームス・テイラーとスティーリー・ダンをドン・グロルニック繋がりでかけていたり、オススメのしかたが上級者という印象でしたねぇ…。芋づる方式の選曲は面白いです。

一方某氏は「この上級者の面前で語ることはできない」と言いつつ、ダイアナ・クラールの「デスペラード」をオススメしておりましたが、私は毎月この人たちを相手に3時間しゃべりまくるわけで、図らずもそのことのシンドさをシェアしたかたちになりましたかね…。ま、皆さんお互いにリスペクトしあう間柄なので、分かっていただけると思います。

それもこれも選曲の妙、…いやはや、他人様のオススメを聴く機会をもっと増やしたくなりました。

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