7インチ盤専門店雑記539「Hellhound On My Trail」
産業ロックのイベントが無事終了しました。来月は「Black Music」ですから、また思い切り趣きが異なります。一応70sソウル中心にならざるを得ないということは、これまでも何度か書いております。ただし周辺領域をどこまで包含するかという程度でちょっと考えても、ディスコ方面には行かないでしょう。ではジャズ・フュージョン方面に拡張するか…、グローヴァー・ワシントン・Jr+ビル・ウィザーズのあの曲!?あたりは当然の如くかけたいですよね…。もろジャズ、行くか?難しいですね…。ブルースは?ロバート・ジョンソンをかけるとか言うと別物になってしまいます。さて、どうしたものか…。
そんなことを考えながらも、先程からアタマの中でグルグルしているのは、ロバート・ジョンソン・カヴァー「Hellhound On My Trail」です。演奏しているのはラーキン・ポー、肌は白いものの、誰もが認めるブルース・ギタリスト姉妹です。そして、たまたまですが、スティングのカヴァーを時を経ずして聴いてしまい、「果たしてブラック・ミュージックのイベントで白人はかけられないという制約が必要か?」ということが気になるわけです。スティングのカヴァーはドイチェ・グラモフォンからリリースされたアルバム「Songs From The Labyrinth」に収録されております。意外なことをやっております。クラシック・アルバムだと思って、聴き流しておりましたが、しっかり吠えています。
アヴェレージ・ホワイト・バンドやワイルド・チェリーやK.C.&ザ・サンシャイン・バンドはかけられないですかね?今回はこの辺をかけないという選択肢はもちろんありますが、かけてはマズい理由は肌の色ですか?…おかしいですよね…。「かけたきゃかけろよ」という声も聞こえてきそうですが、むしろかけたくなってしまいましたから、そういうコーナーを作りますかねぇ。
白人がやっているブルースというと、どうしてもエリック・クラプトンなんでしょうが、最近ECは全然楽しめません。まあ1988年以降は惰性で聴いております。当然ながら彼も「Hellhound On My Trail」はやっています。でも、この辺の音源を聴いても、結局ロバート・ジョンソンが聴きたくなるだけです。
この辺はもちろんレコードでも聴けますが、オーディオ的な楽しみがどうのという音源でもありませんから、ついついお手軽にYouTubeで聴いてしまいます。
YouTubeでこういった音源を聴いていると、関連動画の一覧にサン・ハウスやスキップ・ジェームスなんていう渋いところが出てきます。もうこうなるといけません。エンドレスです。サン・ハウスの「Preachin' Blues」なんぞも聴いていると、ラーキン・ポーの同曲カヴァーも出てきたりします。…この辺でもう堂々巡りとなってしまいます。まあ、こういうのは楽しい時間の無駄遣いだと思います。
世間一般では、相変わらずここ数年はブルースがブームのようになっておりまして、古いアーティストの以前では全然聴けなかったような音源が簡単に聴けるようになりました。有り難いこってす。でも、こんなのを聴いてしまうと、またラーキン・ポーも聴きたくなってしまいますし、往年のブルースメンの音源も聴きたいものが溜まっておりますから、困ったことになってしまいます。時間がいくらあっても足りません。ブラック・ミュージックの準備をしなきゃと言いつつ、その一方でブルース沼から抜け出せないでいると、カフェのBGMもどんどんおかしな方向に行ってしまいます。…自分だけなのか分かりませんけど、ブルースってハマっているとき、他のタイプの音楽が聴けなくなりますよね。
現代ブルースのイベントとかもやりたいですねぇ…。お客さんこないかなぁ…。やっぱり一番好きなあたりなんだけどなぁ…。
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