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7インチ盤専門店雑記490「80s女性ヴォーカル」

1980年代、素敵な女性ヴォーカルものがいっぱいありました。またハートのアン・ウィルソンの激変ぶりには驚かされました。以前にやっていたラジオ番組でも、一度特集しておりました。ここでは自分の好きな曲、アナログで聴きたい曲をかけておりますので、単なるヒット曲とはかなり趣きが違うものになってしまったようです。ご理解いただけるとは思いますが、私がマドンナやジャネット・ジャクソン、ポーラ・アブドゥル等をかけることはないでしょう。

でも意外にポップなものもかけています。この番組収録の頃、それより前にジョージ・ハリスン絡みでかけたベリンダ・カーライルを気に入っており、大ヒット曲「ヘブン・イズ・ア・プレイス・オン・アース」をかけています。Go-Go'sも嫌いではなかったので、個人的にこれはアリなんですけどね。

アナログで聴くと、また意外なほど録音がよくて驚かされたりします。80年代後半のアナログ盤で、鳴りがよくない盤があったらその方が問題です。原則的にいい鳴りで、しかもヴォーカルの聴かせ方が個々にまた違い、どういった声が好みかでも評価が分かれるでしょう。スザンヌ・ヴェガは目の前に立って歌っているようですし、ユーリズミックスのアン・レノックスは恐ろしく艶のある声で天空に響きわたるようで、しかも歌の上手さがはっきり聴きとれる録音だったりします。パット・ベネターは広がりはあまり無いものの、突き刺さってきます。

今週末のイベントで80s女性ヴォーカルを紹介する際には、もう少しロックっぽい声の、いかにも80sな曲をかけたいなと考えております。参加者さんの好みがかなりHR/HM寄りなんです。そこに黒っぽいのが好きな方も少数いらっしゃるのが悩ましいところなんですけどね。一応筆頭候補はパティ・スマイスでしょうか。ヴァン・ヘイレンからデイヴ・リー・ロスが脱退したとき、2代目ヴォーカリストの候補として名前があがった人です。「ザ・ウォリアー」のヴォーカル、パワフル極まりないです。

80sっぽいという意味ではトム・ウェイツのカヴァー「ダウンタウン・トレイン」もかけたいなぁと思います。ちょいがけでもいいのでかけましょうかね。…何だかんだ言って好きなんです、この声。

でも、実のところ、80s女性ヴォーカルで何か1曲と言われたら、原由子さんかもしれません。今の気分では「あじさいのうた」が筆頭候補です。如何せん80sサウンドという意味では、イントロのキーボード一発でノックアウトものの鳴りです。ジンジャーのスピーカーで大音量で鳴らしたときのインパクトは凄まじいものがあります。その後出てくるまったり系のヴォーカルとのギャップも如何にも80sといった印象です。…まあ何でもありな時代ですから。

また、ヘッダー写真のバナナラマには驚かされました。カヴァーソング80sここに極まれり、笑えるほど80s的な鳴りです。ちょいと試聴してみるのもアリでしょうか。好き嫌いは置いといて、80sのサウンドとはどんなものかを語るとき、実に分かり易いサンプルかと思われます。

…ショッキング・ブルーを知る世代には、脱力の思い出かもしれませんけどね。

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