7インチ盤専門店雑記782「ポール・チェンバース」
ジャズ喫茶的にとらえられるのが嫌で、あえてジャズに関してはあまり触れないでいますけど、実際に聴くのはジャズが3分の1程度だったりします。7インチ盤専門店を始めてからは、どうしてもポップス多めになってしまったからですが、そうでなければロックとジャズが半々程度でしょうか。結局ジャズに行ってしまうということはないので、聴き方がどうもフツーのジャズ好きの方とは違うみたいです。
やはり聴き易いメロディを探しているようなところもあって、オーネット・コールマンやエリック・ドルフィーにハマったこともありましたが、直ぐに飽きるというか、もっと聴き易いもので魅力的な音楽もあるよなぁという方向に行ってしまいます。ジャズの中では、最初に聴き始めた頃、どうしても多くの盤に参加していたポール・チェンバースのメロディアスなベースが好きだったりします。
もちろんそこから聴き始めて、いろいろなベーシストが好きになったりするのですが、戻ってくるところがポール・チェンバースみたいな位置づけっだったりします。ソニー・クラークの「クール・ストラッティン」のように、昔ながらの顔なじみが集まって作ったアルバムが、妙に居心地よさそうなホーム・グラウンド感があって好きなんです。マイルスのバックについたときも、彼のスタイルを崩すことはないのですが、大物のバックで弾いているときのアウェイ感みたいな、気持ち遠慮しながらといった演奏が気になるときもあって、実はものを選びます。
そういう意味では、リーダー・アルバムはどれも好きですねぇ。結構何枚もあるのですが、ブルーノートの1500番台に3枚(1534, 1564, 1569)あって、あの3枚がどれも甲乙つけがたく愛聴しておりました。何だかんだ言って、最終的には、ヘッダー写真の「Bass On Top」に行き着いてしまうんですけどね。でもそれは、大好きな「ディア・オールド・ストックホルム」をやっているからという理由が大きくて、本当の意味での演奏を評価しての話ではないのです。
「Whims Of Chambers」も好きでしたねぇ…、コルトレーンを知ったのはコレが最初だったような気がします。実はブルーノートの輸入盤CDが1990年代初頭のユニオンでは1000円弱で売られておりまして、勉強などと言いつつ買い漁りました。1500番台は短期間に80枚以上買い集めてしまったんですよねぇ…CDで。でもコルトレーンって何気に人気があるからか、ちょいとお高めになっていたんです。インパルスも安く買えたので、結構な勢いで有名盤を集めたのですが、値段のせいで「Blue Train」が後回しになってしまったんです。結局アトランティックの4枚が愛聴盤になり、それから「Blue Train」に行きましたからねぇ…、「Whims Of Chambers」のほうがずっと先に聴いているんです。
そういう意味では「Paul Chambers Quintet」は少し印象が弱いので、聴いた回数は少なめだったかもしれません。「Bass On Top」が聴いた回数では圧勝です。好きでしたねぇ…。
あ、でも一番多く聴いているのは「Go…」かもしれません。コレ、クルマに乗せてカー・ステレオで聴くのに妙に良くて、しばーらく乗せっぱなしになっておりましたからねぇ…。むちゃくちゃ聴いたなぁ…。
嗚呼、懐かしや…。35年ほどタイム・スリップしてしまいましたねぇ…。昨晩がイベントで、皆さんの持ち寄りやリクエストの音源を3時間聴きまくったもので、ここしばらくそうだったような次回イベントのテーマに凝り固まった聴き方ではなく、いろいろ楽しめたもので、ちょいとホッとしたところなんです。…少しジャズが聴きたくなりました。