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7インチ盤専門店雑記414「アナログ盤のお値段」

「ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ」、大名盤です。キャロル・キングの「スノー・クイーン」がとりわけ秀逸で、毎年クリスマスが近づいてきた頃に必ず聴きたくなります。

ロジャー・ニコルスは、ポール・ウィリアムズとコンビを組んで、いい曲をいっぱい作ってくれました。ヘッダー写真の右側のLP、渋谷系のお好きな方には超お宝アナログ盤です。お見積りも憚られます。極上美品ですから、ン万円はしますかね…。売りものではありません。7インチ盤10枚組のモノラル・ボックスの方は売り物ですけどね。先日まで10,000円という売り出し時の定価と同じ値札が付いておりましたが、先般、「こんなに安くていいの?相場はもっともっと行ってるでしょ」と某常連さんから言われてしまい、また安すぎると怒られました。今は30,000円の値札がついております。…お値引きは無しです。

どうなんですかね?本当はこんなに高いお値段にはしたくないのですが、安過ぎるとファンの方々から怒られるし、高過ぎると売れないですよね。

面白いというか、アナログレコードのお値段、プレミアがつくということを意識させられた盤でもありまして、最初は中古盤全般の値上がりに繋がるような気がして、「やめてくれ〜」と思ってました。お安くミント盤を入手するまでは、マジそう思いました。…渋谷系とか、レア・グルーヴとか、サバービアとか、そういう売り方がそもそも好きではなかったんです。ちゃんと歴史とかも勉強してないから、感覚だ、フィーリングだという部分ばかりで、その先の説明がない文章が嫌になってましたね。

1990年代、もうアナログ盤の値段は下がる一方でしたからね。でもどこぞの中古盤店で面出ししてえらいお値段で売られていたんですよね。1968年リリースの音源ですが、1987年に国内盤がリリースされ、ちょっとしてからお安く入手しました。「気持ち高いかな」とも思いましたが、「これはもう下がることはないな」と救出しておきました。

1995年、まさかのロジャー・ニコルスのセカンドと言うべきでしょうか、ロジャー・ニコルス・アンド・ア・サークル・オブ・フレンズの「Be Gentle With My Heart」がリリースされました。2枚組LP(…とはいえ3面にしか音は収録されていません)が、なんと2,500円でリリースされたんです。…もちろん即買いました。そして市場からは即刻消えました。…明らかに値付けミスですよね。

このアルバムは結構よかったんですけどね。その後、The Small Circle Of Friendsに戻って、2007年に「Full Circle」2012年に「My Heart Is Home」とリリースされました。まあこれはお付き合い程度に買いましたが、ファーストのような奇跡的な輝きはありませんでした。…でも結構なお値段で流通しております。

流行り廃りもあれば、音楽を聴く環境の変化もあり、加えて聴く側の個人的な事情もあるわけで、時が経つとともに値上がりしたり下がったり…値付けが難しいんですよ、この辺。特にリアルタイムで売れたものではない場合、妙に高く評価する人もおりますから。ウチの売りボックスには、安過ぎだと怒られるようなお値段のまま、入ってますけどね。

冒頭の「ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ」、極々個人的な事情で売らないというだけで、もう一枚手に入ればフツーのお値段になると思います。…でも簡単に手に入るブツではありませんよねぇ。

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