7インチ盤専門店雑記096「シネ・ジャズ・イン・パリス」
相変わらずお掃除がてらCDラックをいじっております。存在を忘れている盤が多いことにも呆れておりますが、ようやく見つけられたという盤もありまして、これがその一つ。ジャケット・デザインから、「Jazz in Paris」のシリーズの一枚だとは思いますが、デジパックではありません。プラ・ケースです。しかも国内盤、定価999円。「Jazz in Paris」に関しては、以前にネタ帳に書いておりますが、粗い編集のわりにお高くなってしまったシリーズです。
この盤、ユニヴァーサルが権利を買い取ったのか、「Gitanes Jazz」の文字はありません。でも粗さは変わりようがありませんけどね。如何せん、1960年の映画のサントラ2タイトルを一枚に突っ込んであるのですが、中身に関して共通点があまり見受けられないんです。それこそ1959年にパリで録音されたというだけです。せめて両方に参加しているアーティストがいるとか、同じ監督の作品とかいった共通点があればいいのですが、何一つありません。まあシネ・ジャズというだけですね。
前半がエドゥアール・モリナロ監督作品「彼奴を殺せ」、後半がミシェル・ガスト監督作品「墓に唾をかけろ」、お目当ては前半です。後半、アラン・ゴラゲールのオーケストラにはピエール・ミシュロという、ちょいと好きなベーシストが参加しておりますが、まあそれだけです。前半はテナー・サックスのバルネ・ウィランとベースのポール・ロヴェールが、ケニー・ドーハム(tp)、ケニー・クラーク(dr)、デューク・ジョーダン(p)の渡仏組をお迎えしてのハード・バップです。1959年当時のこのメンツ、隠れた名演・名盤かと思います。
この「Jazz in Paris」のシリーズ、だいたい2枚分の音源が一枚のCDに入っておりますからお得感はありますが、くっつける音源をもう少し工夫して頂かないと、粗さばかりが目につきます。中身がよかったりするとなおさらです。ジャケのデザインも大好きなので残念でなりません。…まあ、途中で聴くのを止めればいいだけなんですけどね。
ちなみに、ジャケット写真は、映画「凱旋門」の撮影シーンということで、ルイス・デヴィッドという人の1948年の作品のようです。…いい感じです。
…せめてどちらかの映画に関係ある写真を使えばいいのに、…ったく。
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