見出し画像

7インチ盤専門店雑記793「Gottle O' Geer ~ Hokey Pokey」

先週の金曜日に店の壁面を飾るレコード・ジャケットの一部を入れ替えてみました。普段は1960年代の映画のサントラ盤が中心ですが、他にも魅力的なレコード・ジャケットはいろいろありますし、拘る必要はないかなということで、少し気分転換になりそうなものを選んでトイレ前のメインの壁面の5枚をそっくり変えてみました。

  • 今回もすべてイラスト・ジャケットですが、テイストはまちまちです。今回は語れるジャケットの代表的なものを選んでみました。左から以下の順に並べた5枚です。

  • 「This Is Old Time Favorites」V.A.

  • 「Golden Bubblegum Hits 1973-1961」V.A.

  • 「Gottle O’ Geer」Fairport f/ Dave Swaebrick

  • 「Astra」Asia

  • 「Hokey Pokey」Richard & Linda Thompson

「This Is Old Time Favorites」は何故バックス・バニーが四角い眼鏡をかけているか…、オールディーズのベスト・ヒット集なのでバディ・ホリー・スタイルということなんですが、…バディ・ホリーの曲は入っておりません。ワーナーさん、やってくれます。

「Golden Bubblegum Hits」は雑誌「ぴあ」の表紙を長年描いていた及川正通さんのイラスト・ジャケットですから、もう私なんぞはそれだけで即買い、ジャケ買いなわけです。「ぴあ」関連以外の作品は珍しいですからね。

「Gottle O' Geer」を今回は真ん中に持ってきました。このタイトル、「Bottle of Beer」が訛っているわけですが、お酒でよっぱらってろれつが回らない様を指したりする言葉です。もう一つの意味があって、ここではそちらの意味で使っているようです。というのも、腹話術ではBの音をGで発音することでそれらしくなるようなんです。そんなわけで腹話術そのものを意味する言葉でもあるんです。さらにはそこから発展して、腹話術の人形のように操られていることを意味するようにまでなるんですね。…フェアポートのメンバーがどうのということを語りたいわけではありませんでした。

「Astra」はロジャー・ディーンのイラストですが、このアルバムにはスティーヴ・ハウは参加していません。ギターはマンディ・メイヤーですね。イエスと同じロジャー・ディーンでも、少し違ったテイストのイラストを持ってきたこの選択は正しかったと思うわけです。

最後は「Hokey Pokey」、皆んなでアイスクリームをなめています。この「Hokey Pokey」ということば、インチキとかまがい物とか手品という意味があります。転じておまじないの言葉だったりもします。そして、もう一つの意味として「アイスクリーム」を指す言葉でもあります。ただしエクスキューズがついていて、露店商や屋台で売りに来るアイスクリームを指した言葉なんです。ちなみに、このアルバムのタイトル・ソングは伝承歌ですが、アイスクリーム売りがこの歌を歌いながら売り歩いていたようで、アイスクリームがまがい物のように思われていたわけではなさそうです。イギリスなどでは、保育園などでおやつの時間の前にこの歌を歌いながら踊ったりするみたいですね。

アイスクリームをなめているジャケットでここまで語ると面白いと思いませんか…。でも、トヨタがニュージーランドで売っているハイラックスというクルマのCMで、奇想天外な冒険譚を語った最後にサルが「ホーキー・ポーキー」としゃべるものがありまして、大好きなんですけど、そこまで語ると語り過ぎのようで、ちょっと引かれるというか、嫌な顔をされてしまいます。タイミングよくそのCMが観れればいいんですけどねぇ…。いろいろ語るにも、程度とか限界があるようです。



いいなと思ったら応援しよう!