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7インチ盤専門店雑記687「The Police vs. U2」

80sのU2の個性はエッジのカッティング・ギターに依るところが大きいとは思います。90年代以降の他のギタリストと変わらないパワーコードで作られたリフの曲は、ボノの声でU2と判るものの、個性が薄れた印象は否めません。ボノの声は、女性的なきれいな声なので、本人はロック向きではないと思っていたようですが、あれだけ圧のある声であれば十分だと思いますけどね。

ポリスのスティングも高くて優しい声ですから、あまりロック向きとは言えません。むしろ圧もないスティングの方が個性的ということにならないでしょうか。メタルの世界ではハイトーンは重宝がられるわけで、全然問題ないですよね。レッド・ツェッペリンのロバート・プラントだって甲高い声でロック界を代表するわけですよね。そもそもどんな声がロック的なのでしょうか?誰が最もロック的な声なんですかね?デヴィッド・カヴァーデイルやイアン・ギランあたりですかねぇ。ブルース・スプリングスティーンまで行くと、…暑苦しさが出て来る気もしますね。

ヘッダー写真はU2の2004年のアルバム「原子爆弾解体新書 How To Dismantle An Atomic Bomb」の冒頭を飾るロック・チューン「Vertigo」の10インチ・シングルです。80年代のU2からは想像もつかないコード弾きのリフが恰好良い曲です。恰好良いからいいんですけど、私の知っているU2はどこへ行ったのという印象です。パワー・コードって言うんですか?昔は使わなかった言葉なので、ふーんという感じですが、この曲を言い表すのにいい言葉かなと思うんです。このアルバム、何が凄いって、世界中のチャートで1位になっているんです。U2はもう本当にビッグ・ネームになってしまったんですね。

来月のイベントは「80sおかわり incl. The Police vs. U2」というお題でして、3時間のうち、最初の30分は80sのギターが好きな曲をいくつか紹介し、そこから2時間ほどポリスとU2関連の曲を集中的にかける予定です。残りの30分はリクエスト・タイムの予定です。結局のところ、ギタリスト対決でいけばアンディ・サマーズとエッジなんですが、2人とも速弾きちゅるちゅるというタイプではなく、カッティング中心の個性的なギタリストです。そして、バンドにはスティングとボノという個性的なフロントマンがおり、ギター中心のバンドではないところが共通点かとも思います。

実は両方ともライヴを観てないバンドですが、ライヴ音源も結構好きだったりします。7インチ盤専門店的にはレア盤だらけで、結構面白い存在です。しかもそこにレア音源もあるわけで、イベント向きとも言えます。ただし、一つだけ大きな問題があります。この手のバンド、凄いファンがごろごろいるんです。私より詳しい人がイベントの参加者にもおそらく複数いらっしゃると思います。そういう人を前に講釈をたれるわけです。なかなかにシンドイ状況であることを承知の上でやるわけです。

…何故そういう無茶をするかというと、7インチ盤に関しては、自分でも結構面白い盤があるなと思うからなのですが、…そういうことを言っている傍から売れたりしております。例えば「ロクサーヌ」のリリース当時の国内盤も先日旅立ちました。アレ、むちゃくちゃレアです。そんな話をしながらと考えております。…何だかんだ言いながら、結構面白い回になりそうだなという気はしております。フフフ、お楽しみに。

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