見出し画像

さらまわしネタ帳049 - JATPの7インチ

相変わらずジャズの7インチ盤が面白くて、いろいろ調べたりしながら遊んでおります。ジャズは専門外というようなことを書いておきながら、いざ調べものやらレコード整理やらとなると、知識が十分でないせいか、ついつい夢中になって時間を忘れるようなところがあります。ただどうしても、マイルス・デイヴィスやソニー・ロリンズあたりが入り口でしたから、モダン・ジャズの領域からはなかなか広がっていきません。

以前にも書いていますが、ちょいとわけあってグレン・ミラーが好きではないので、スウィングやらトラッド・ジャズとか言われるとついつい敬遠してしまうところがありました。大したことではないのですが、ズブズブにブルースにハマっていた頃、まだ好きでも嫌いでもなかったタイミングで、無理やり聴かされて嫌いになっただけなんですけどね。さらには、SP盤の時代の音源となると、何故かジャズ以外の方が面白かったりもしまして、なかなか一人の人間の趣味としては、複雑怪奇なことになっております。

それでも、モダン・ジャズもこの30年それなりに聴く機会があったものですから、ある程度の好き嫌いも分かってきました。さらには自分の好きな連中がビ・バップ期の音源にも顔をだすので、古い方に向かって趣味が広がっております。まだまだジャズ初心者ですけどね。

先般、ネタ帳014で、チャーリー・パーカーの「Now's The Time」の7インチ盤について書きました。ルディ・ヴァン・ゲルダ―のRVGの刻印があるというもので、「チャーリー・パーカー・ストーリー」からの音源です。今度はチャーリー・パーカーが意外なところから転がり込んできましたよ。しかもなかなか状態もよく、内容もいいものでした。

とにかくヘッダー写真のスリーヴ(のような厚紙)にはさまれて、まさかの登場です。オークション・サイトで、「ジャズの7インチ盤」を検索して遊んでいたところ、ノーマン・グランツのJATPのロゴを見つけたんです。アーティスト名は記されていないものの、状態のよさそうな45回転のJazzモノ7インチ盤なので、さほど期待もせずに入札したところ、意外にお安い値段で落札してしまったんです。届いたものをじっくり見て、「んにゃ、パーカーやん…」といった具合でしてね。

ヘッダー写真の紙ですが、JATPの盤についてくる台紙みたいなもので、スリーヴではありません。中身の盤のタイトルやアーティスト名は刷り込まれておりません。折りたたんであるのですが、裏は印刷無し、見えなかった側はJATPに参加したアーティストの一覧のようになった広告的なものなんです。

まあ、読めてなかったのですが、JATP = JAZZ AT THE PHILHARMONICという文字は入っております。そして、あまり馴染のない「CLEF」の文字。インターネットのおかげで、生まれる前の情報もそれなりに出てきますから、本当に重宝しますね。JATPのノーマン・グランツさん、Verveの創設者ということくらいは知っておりましたが、そのまえにもいくつかレコード会社をやっていらしたようで、1946年創立のCLEF RECORDSも彼のものでした。そして後々Verveのカタログに吸収されてしまったものなんですね。Verveは1956年創立ですから、リアルタイムにVerveの文字は刷り込まれているわけないんですね…。ということは、リアルタイムの盤ですか…。えらい状態がいいんですけど…。チャーリー・パーカー!!!…ですぜ。

この時代の盤、メンバー等の情報はレーベルですね。はい、しっかり載っております。えー、「Bird And Diz」のときのメンバーですね。「CHARLIE PARKER & HIS ORCHESTRA」のメンツは…
Charlie Parker(Alto Saxophone)
Dizzy Gillespie(Trumpet)
Thelonious Monk(Piano)
Buddy Rich(Drums)
Curley Russell(Bass)
そして Norman Granz(Supervision) ですよ。

うほー、「モホーク」がシングル・リリースされていたんですねぇ。裏面は「アン・オスカー・フォー・トレッドウェル」ですね。1950年6月6日の再会セッションというヤツです。どちらも古い曲のコード進行を拝借したもので、ここでしかやっていない曲です。この日はモンクまでおりまして、後にも先にも、この日だけ実現したセッションですね。当然ながら、CLEFという文字が見えますから、Verveより前、結構リアルタイムにリリースされたものですね。

何ですかね、集まってきますね、こういうの。別にコレクションする気もありませんが、手に入るときは続けて手に入りますね。しかも、よりによって、貴重なあたりがきましたねぇ…。まだLPはコロムビアだけの時期です。1948年からしばらくはコロムビアだけ、RCAビクターは7インチ盤をオートチェンジャーで聴くことを想定して1949年に売り出したばかり。Verveはまだ立ち上がっていません。初出はCLEFから1952年に10インチ盤78回転でということですが、45回転盤、どういうタイミングでリリースされたんでしょうね。いやあ、調べ甲斐がありますね、こりゃ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?